第2回フレッシュホップフェスト2017

日本のホップ生産者とビールのつくり手、
そして飲む人を繋いでいきたい!

フレッシュホップフェストは、今年収穫した国産ホップでつくったビールを楽しむお祭りです。
2017年は、全国のクラフトブルワリー31社が参加。全国各地のビアパブで順次開催します。

2017.5.24イベント

フレッシュホップフェスト2016を振り返る

フレッシュホップフェスト2016に参加した方もそうでない方もこんにちは!

フレッシュホップフェストとは、その年に収穫した国産ホップで造られたビールを楽しむお祭りです。昨年は東京と遠野(岩手)を皮切りに、横浜と大阪でも多くの人たちがビールを楽しみました。

もちろん、2017年も9月14日から10月15日の開催を予定しており、現在はホップ栽培中。7・8月にはホップを収穫、ビールを醸造。また今年もフレッシュホップを使ったビールが楽しめるようになります。

このサイトでも、フレッシュホップフェストやホップに関わる情報を随時発信していく予定ですが、まずは簡単に2016年の東京開催を振り返ってみたいと思います。

2016年10月8日はあいにくの雨でした。しかし、雨にも関わらず大勢のビール好き、ホップ好きが代官山のスプリングバレーブルワリー東京に集合。11時の開場からフレッシュホップのビールを楽しむ笑顔がたくさん見られました。

12時からはオープニングセレモニー。まずは日本ビアジャーナリスト協会代表の藤原ヒロユキ氏が挨拶。

この日は「ホップキング」と呼ばれた藤原ヒロユキ氏

この日は「ホップキング」と呼ばれた藤原ヒロユキ氏

盛り上がってきたところでみんなで乾杯です。

記念すべき第1回フレッシュホップフェスト最初の乾杯!

フレッシュホップフェスト2016、最初の乾杯!

2016年の東京開催で提供されたビールは17種類

この日のビールラインナップは17種類。タップの上部にビールの銘柄がずらりと並びます。ビアリストはこちらからご覧ください。昨年のリストですが、見ているだけでまた飲みたくなってしまうものばかりですねえ……。

17種類のタップが並ぶ。実は裏メニュー? でスプリングバレーブルワリーの定番「496」も出ていた

17種類のタップが並ぶ。実は裏メニュー? でスプリングバレーブルワリーの定番「496」も出ていた

いくつか昨年のビールを紹介しましょう。

まずは、スプリングバレーブルワリーの「Hop Fest Ale 2016」。

Hop Fest Ale 2016

Hop Fest Ale 2016

こちらは江刺のホップを使用したエールで、同様にラガー(Hop Fest Lager 2016)も出ていました。

カップに鼻を近づけただけで、ふわっと漂うホップの香り。シトラス感もありますが、ホップの青々とした香りがより強く感じられます。まさにフレッシュホップ!

飲んでみると、さらにホップのフレーバーが口の中に広がります。苦味もしっかり付いていて、ホップの魅力を存分に味わえる1杯です。

 

そして、同じくスプリングバレーブルワリーの「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」。

MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016

MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016

「MURAKAMI」という名前からもわかるように、これは「ホップ博士」村上敦司氏(キリン株式会社 酒類技術研究所 主幹研究員)が育種したホップを、摘みたてでそのまま使用したビール。バリバリの柑橘系というよりも、マスカットなどの上品な香りが漂います。ビール自体もクリアな味わいで、苦味も抑えめ。1杯目にぴったりです。

村上敦司氏についてはこちらもご覧ください。

 

次はヤッホーブルーイングの「軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て」です。

軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て

軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て

こちらは軽井沢周辺でしか飲めない「ワイルドフォレスト」というビールに、地場産ホップを使ったバージョン。これは軽井沢でも飲めないフレッシュホップフェスト限定のビールです。無濾過ですが味わいはクリア。これもホップの青さがしっかり出ています。

 

最後にもうひとつ。箕面ビールの「YOSANO PALE ALE」です。

YOSANO PALE ALE

YOSANO PALE ALE

「YOSANO」と名付けられている通り、藤原ヒロユキ氏が中心となって京都府与謝野町で育てているホップを使用したもの。与謝野町では30種類ほどのホップを育てていて、このビールで使用しているのはカスケード。シトラスアロマが特徴的なホップですが、それだけではなくマンゴーやメロンなど、カスケードの印象が変わるような香りもありました。

 

ビールに合わせるフードも充実!

フレッシュホップフェストはビールだけではありません。もちろんビールにぴったりな料理も用意しています。

チケット1枚(300円)から購入できるフードがずらり

チケット1枚(300円)から購入できるフードがずらり

フレッシュホップフェストはホップのお祭りですが、テーマは「収穫祭」。とれたての野菜を使ったピクルスやバーニャカウダから、同じく今年とれたての小麦を使ったパン、パルメザンチーズ、プロシュートまで。昨年の一例をご紹介しましょう。

パルメザンチーズとプロシュート

パルメザンチーズとプロシュート

プロシュート

プロシュート

ソーセージ

ソーセージ

そして、面白かったのが「キャラメル“HOP”コーン」。

キャラメル“HOP”コーン

キャラメル味のポップコーンにホップの粉末をふりかけます。ホップの青いフレーバーが加わった面白い味わいです。

 

こんな人たちも参加!

第1回の初日ということで、こんな人たちも参加していました。まずは、スプリングバレーブルワリーのマスターブリュワーである田山智広氏。

田山智広氏(右)と藤原ヒロユキ氏

田山智広氏(右)と藤原ヒロユキ氏

いわて蔵ビール工場長の後藤孝紀氏も挨拶。

いわて蔵ビール工場長の佐藤孝紀

いわて蔵ビール工場長の後藤孝紀氏

さらには、アウトサイダーブルーイングのマスターブルワーである丹羽智氏も。

アウトサイダーブルーイングのマスターブルワー丹羽智氏

 

インフューザーを使った超限定ビールも!

スプリングバレーブルワリー東京の魅力のひとつには、インフューザーがあります。インフューザーとは、ホップやフルーツなどにビールを通してそのフレーバーをビールに付けることができる装置。この日はオーストラリア産のホップ「ギャラクシー」を入れたインフューザーに、スプリングバレーブルワリーのフラッグシップである「496」を通したビールが時間・数量限定で提供されました。

初日には3回提供され、各回で20杯ほどの超限定です。

まずは、インフューザーにホップを投入します。

インフューザーにホップ投入

インフューザーにホップ投入

そして、スイッチを入れると下部からビールが出てきます。

スイッチを入れるとビールが湧き出る(右)

ビールが注がれたら、上からプレスしてホップをビールの中で泳がせます。こうすることでホップのフレーバーがビールに移るのです。

プレスは5回ほど

プレスは5回ほど

これでできあがりです。この日は、スプリングバレーブルワリーのフラッグシップ「496」も提供されており、このホップ増しバージョンの「496」と飲み比べができました。

こんな感じです。

通常の「496」(左)とギャラクシー増しバージョンの「496」

通常の「496」(左)とギャラクシー増しバージョンの「496」

写真では少々わかりにくいですが、通常の「496」に比べて、右のホップ増しバージョンのほうがやや濁りがあります。実際に飲んでみると……違います。

ホップ増しバージョンのほうがより華やかなアロマが漂っていて、飲んでみるとその違いがよりはっきりします。鼻から抜けるフレーバーが段違い。しっかりと香りが付いています。

 

以上、フレッシュホップフェスト2016東京開催の様子でした。

フレッシュな国産ホップを使ったビールが飲めるのはこのイベントだけ。フレッシュホップを使ったビールを、今年もぜひ味わいにきてください!

ビアライター

富江弘幸

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国に留学し、四川大学海外教育学院修了。帰国後は新聞社で書籍等の編集者に。現在はビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:『ビール王国』(ワイン王国)、『厳選世界のビール手帖』(世界文化社)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のクラフトビールが飲める120店』(エンターブレイン)など

Twitter:hiroyukitomie