今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

天草ホップ100%のクラフトビール醸造所をめざして【AMAKUSA SONAR BEER】

ビアジャーナリスト/ライター コウゴアヤコ

熊本県天草市で、無農薬でのホップ栽培が始まりました。

ホップを栽培するのは「AMAKUSA SONAR BEER(アマクサ ソナー ビール)合同会社」。
同じく九州の宮崎県にある先輩ホップ農家で研修を受けるなどして、九州でのホップ栽培について情報を共有し、栽培に取り組んでいます。

ビールは一般的に数種類のホップを組み合わせて醸造されます。
天草では、自分たちの理想とするビールを作るため、12品種のホップを栽培。
ナゲットやカスケードなど比較的温暖な地域に適した品種から、エルドラド、チヌーク、センテニアルといった国内でもあまり取り扱いのない品種のものまで、幅広くチャレンジしています。

無農薬でホップの栽培に取り組む

AMAKUSA SONAR BEER(アマクサ ソナー ビール)合同会社の代表を務める荒木信也さんは、東京からのUターン組です。

無農薬のびわ農家である実家の休耕地を活用して、地域に根ざしたビールを造りたいと、2013年7月に東京から熊本へ拠点を移されました。
起業準備と醸造所への研修を進めながら、2018年冬に自宅近くの圃場約1,500m2で、父と共に無農薬でのホップ栽培をスタート。
2019年3月にAMAKUSA SONAR BEER合同会社が設立されました。

現在は、2019年年内に「発泡酒製造免許」を取得し醸造所を完成させることを目標にクラウドファンディングで資金調達のための活動をされています。

醸造所は、ホップ畑の目の前にある倉庫に設置しタップルームも併設予定です。
摘みたてホップをすぐに搬送し、ビールに投入したり、加工の工程に進められることが利点。
うまくいけば、2019年内には熊本県天草産のホップを使ったクラフトビールが誕生します。

醸造所はホップ圃場敷地内の倉庫を活用予定

2020年ごろには、ホップ収穫体験や醸造所見学、現地でのビールイベントなどの開催が予定されています。
ホップ畑を渡る風を頬に感じながら飲む新鮮なビールはさぞかし美味しいことでしょうね。

ホップ栽培を天草の活性化につなげたい

「熊本県天草の地にて、100%天草産ホップを使ったクラフトビールを作ることはもちろん、地域に根ざしたローカルブルワリーを実現させ、過疎化が進む天草市を応援したい!」と荒木さん。
AMAKUSA SONAR BEERを通して天草をもっと知ってもらい、来てもらい、感じてもらうための役割でいたい、と考えています。

天草に足を運んでもらうための取り組みのひとつが“追いホップ”です。
自社栽培のホップで醸造したビールに新鮮なホップを浮かべて飲むという、ビール好きにはたまらない飲み方です。
数が少ない上に収穫時季も限られますが、このレアな楽しみ方ができるのは自社でホップを栽培している醸造所のみ。
無農薬で栽培するということは、病気のリスクや雑草抜きの手間がかかりますが、これも安心して”追いホップ”を行うためには必要なことです。

クラウドファウンディングでは、冷凍したホップをビールとセットにしたリターンもあります。
冷凍ホップをビールに浮かべて自宅で堪能してみたいものですね。

AMAKUSA SONAR BEERは、2019年06月26日までクラウドファンディングで醸造設備(仕込み釜と発酵タンク、大型冷蔵庫)購入のための資金を募っています。

これからも、天草でのホップ栽培を応援していきたいと思います。

AMAKUSA SONAR BEER 広報犬つくし君

AMAKUSA SONAR BEER
【栽培面積】
1,500m2
【栽培品種】
12種類

クラウドファンディング:【超希少】日本最西端!熊本・天草産ホップ100%のクラフトビール醸造所を作る!

関連記事:日本ビアジャーナリスト協会『熊本・天草の魅力を詰め込んだ醸造所「AMAKUSA SONAR BEER」をクラウドファンディングで応援しよう』

☆写真はすべてAMAKUSA SONAR BEERさまからご提供いただきました

ビアジャーナリスト/ライター

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。