2017.8.11|ホップとは?
【ホップ講座】03_ホップ栽培と生産量
今回は、ホップがどこでどれくらい栽培されているのかというお話。
日本国内のホップ生産地
日本国内では、主に東北で栽培されています。もちろんそれ以外の地域でも栽培されていて、実際にビールに使われてもいますが、生産量は東北が圧倒的です。
具体的には、農林水産省の東北農政局に「ホップの生産状況」という資料があります。2012年度以降更新されていないようですが、東北でどれくらいの量が生産されているかの目安としては十分です。
この資料を見ると、2011年の生産量は、
全国:335トン
東北:330トン
となっています。全国生産量の98.5%が東北ということですね。
この資料でもうひとつ注目したいのは、ホップ生産量がどんどん少なくなってきているということ。この資料で一番古い1975年度では全国で2,184トンもの生産量がありました。2011年度以降のデータはないようなので、その後も下降線を辿っているのかわかりません。
ただ、岩手県のウェブサイトには「ホップに関する資料」というページがあり、ここ数年(2012年〜2016年)のデータが載っています(2017年8月10日現在)。
それによると、やはり生産量は減ってきているようです。岩手県はホップ生産量全国1位の県で、国内生産量の約半分を生産しています。2012年は162トンで2016年は101トン。栽培面積も79ヘクタールから60ヘクタールへと減っています。
世界のホップ生産地
では、世界でのホップ生産量はどうなっているのでしょうか。「地理統計要覧2017年版」によると、ホップ生産量の国別ランキングは次の通り(2013年の統計)。
- アメリカ 27,800トン
- ドイツ 27,500トン
- エチオピア 21,600トン
- 中国 11,300トン
- チェコ 5,300トン
- ポーランド 2,400トン
- 北朝鮮 2,000トン
- アルバニア 1,700トン
- イギリス 1,700トン
- スロベニア 1,200トン
アメリカ、ドイツ、チェコあたりは想像できますが、そうだったのか! と思ってしまうような国がいくつかありますね。特にエチオピアは暑いイメージがあり、冷涼な気候で育つホップとは縁遠い印象。しかし、高地では雨季になるとかなり気温が下がることもあるようです。
そして日本は300トン強だとすると、10位のスロベニアとも4倍近い差があります。
この順位が上がればいいということでもありませんが、いま全国各地で盛り上がってきているホップ生産が定着し、日本のビールシーンがいい方向に変わっていけば面白いことになりそうですよね。
今年もフレッシュホップフェストを盛り上げていきたいと思います!