2017.8.25|ホップとは?
【ホップ講座】04_α酸と精油
今回は、ホップの成分についてのお話。
前回までは、農業生産物としてのホップについて書いていましたが、ビールの原料としてのホップについて書いていきたいと思います。
ホップがビールの味に大きく関わっている部分は、主に苦味と香りです。ビールの醸造工程でホップを投入することで、麦汁に苦味と香りが加えられることになります。
では、具体的にホップのどんな成分が苦味と香りになるのでしょうか。
ビールの苦味成分となるα酸
まずは苦味についてです。結論から書いてしまうと、ホップのα酸という化合物がビールの苦味の素となります。
ビールの苦味となるのはα酸だけではないのですが、最も重要なのはα酸。主なα酸としては、フムロンやコフムロンなどがあります。これらを加熱することで、イソα酸と変化し、苦味が感じられるようになるのです。
なお、この加熱する工程が麦汁の煮沸。煮沸の序盤でホップを投入し、長時間熱を加えることで、苦味成分がビールに加わることになります。
一方で、煮沸の後半でホップを投入すると、イソα酸への変化は少なくなります。
香り成分の精油
煮沸の後半で投入するホップは、苦味付けの役割ではなく香り付けです。その香り成分がホップに含まれる精油と呼ばれるもの。精油に含まれるミルセンやフムレンなどの化合物が、ビールの香りを作り出しているのです。
精油は熱に弱いため、煮沸の序盤で投入すると香りが飛んでしまいます。そのため、香り付けに使う場合は、煮沸の後半で投入されたり、ドライホッピングといった発酵・熟成工程で投入されます。
ビール醸造でのホップの使い方については、昨年のフレッシュホップフェストの記事でも書きましたので、合わせてご覧ください。
よなよなエールのリニューアル
さて、この記事を書いている時に、よなよなエールがリニューアルするという情報が入ってきました。よなよなエールは今年が20周年で、今回が初めてのリニューアルとなります。
プレスリリースによると、「鮮やかなホップ香と、長く続く香りの余韻」ということで、香りに重点を置いたリニューアルのようですね。
「よなよなエール」のアイデンティティともいえる柑橘類を思わせる香りを最大限引き出すため、アロマホップ「カスケード」を増量しました。さらにこれまで使用していたホップの品種を見直し、「カスケード」をより引き立てるためのホップブレンドに変更しました。
どのようなホップ香になっているのか気になるところ。スーパーやコンビニでは10月中旬から順次切り替えということですので、楽しみに待ちましょう。