今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

~ホップそよ風通信~【京都・与謝野町4~5月】

ビアジャーナリスト/ライター コウゴアヤコ

【写真提供:渡部健五さん】

京都与謝野ホップ生産者組合からホップのお便りが届きました。

京都府の北部に位置する与謝野町では、2015年からホップが栽培されています。
現在、与謝野町全体で約1ヘクタールの畑に植えられているホップはナント19種類!

アサ科のつる性多年生植物であるホップ。
土の中で冬を越した根は、掘り起こして余計な根や茎を切って整えられ、また畑に植え替えられます。
これの作業を「株開き」や「株ごしらえ」と言います。
与謝野では3月にこの作業を行い、4月の頭には順次むくむくと新芽が出始めました。

4月8日、桜と共にホップの芽も土の中から顔をのぞかせました【写真提供:ビアジャーナリスト協会 藤原ヒロユキさん】

一度にたくさんの蔓が伸びると生育が悪くなってしまうため、丈夫そうなものを残して他を付け根から切り取る「剪芽」を行いました。

4月19日、切り取ったホップの芽がどっさり。かわいそうな気もしますが、これも元気なホップを作るため【写真提供:京都与謝野ホップ生産者組合 好地史さん】

ホップの蔓は春のポカポカ陽気の中、ぐんぐんと伸びていきます。
縄を張る作業「糸付け」や「縄下げ」を行い、伸びた蔓を縄に「誘引」、
この縄にホップの蔓が巻き付き成長していきます。

もじゃもじゃの塊?? いえ、この1本1本がホップの誘引紐です【写真提供:京都与謝野ホップ生産者組合 好地史さん】

蔓が巻き付いていく棚の高さは約5メートル。
2階建ての家の屋上くらいの高さになります。

「縄を張るのは高所での作業になるので、高い所が苦手な人には怖いかも?」と好地史さん【写真提供:京都与謝野ホップ生産者組合 好地史さん】

与謝野ホップは5月1日現在も、「剪芽」「蔓の誘引」「除草」の真っ最中。
ここから初夏の「収穫」まではあっという間。気が抜けません。
「収穫」の作業も楽しいですが、本気でホップに接したい方は今こそ与謝野にいらっしゃいませんか?

これからも引き続き京都与謝野ホップの成長をお伝えしていきたいと思います。

ビアジャーナリスト/ライター

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。