今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

「畑からグラスまで」京都100%への取り組み【亀岡パイロットファーム】

ビアジャーナリスト/ライター コウゴアヤコ

京都では「畑からグラスまで」(from Field to Glass)を合言葉に、京都府でビールの原料を100%生産し、醸造することを目標にしたプロジェクト(通称・K100)が始まっています。

原料を海外からの輸入に頼るのではなく、地元で供給することは、地域の農業や環境を守ることにつながります。
さらに、印刷、パッケージング、広告や流通、観光などを加えると、さまざまな地域産業への波及効果が期待できます。
なおかつ、それを楽しむ場を核として、地域に豊かなコミュニティを創造できれば、最高ですよね。

ビールになら、それができるかもしれません。
なぜなら、ビールは本来、大麦やホップをはじめ、果物やスパイスなどの幅広い農作物で造られる自然の恵み。
地域の歴史・風土や食文化をビールづくりに反映させれば、ローカルの魅力を表現できるユニークな飲み物だからです。
京都にあるホップの生産地・与謝野町もこのプロジェクトのメンバーです。

さらに今年から新たにホップ農家が加わりました。
京都府亀岡市にある「亀岡パイロットファーム」の武山 裕玄さんです。

亀岡で新規就農者として農業を営んでおられる武山さん

武山さんはナス、ズッキーニ、玉ねぎ、大根、ほうれん草、小松菜などの
野菜も一緒に栽培されています。

4月の末、初めての株植えを行いました。
品種はキリンビールさんから分けて頂いたIBUKIです。

つる性の多年草植物であるホップは、通常ビールの原料として使用できるまでに成長するには、植え付けから3年はかかると言われています。

地元の農家さんとも協力してホップを栽培

この一年は強い根をつくるための我慢の年。
背の高い棚いっぱいにホップの大きな葉が茂り、黄色いルプリンをたっぷり抱えた毬花が風に揺れる数年先を想像し、丁寧にお世話をされています。

私たちもホップの成長と、K100のプロジェクトを見守っていきたいと思います。

亀岡パイロットファーム
【栽培面積】
250m2
【栽培品種】
IBUKI

☆写真はすべて京都産原料100%ビールプロジェクト様からご提供いただきました

ビアジャーナリスト/ライター

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。