今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

今年は悲願の島根県産原料100%「ゼウスビター」がつくれるか? 松江ビアへるんの挑戦

木暮 亮

今年で5回目を迎えたFresh Hop Fest(以下、FHF)。2019年7月16日現在、75の醸造所が参加を表明してくださっています。そのなかには第1回から連続して参加をしているブルワリーが13ヶ所あります(※1)。連続参加で最も西側に拠点があるのが、今回ご紹介する島根県の「松江ビアへるん」です。

※1 KONISHIビール、OIRASE Brewery、石川酒造株式会社、いわて蔵ビール、遠野麦酒ZUMONA、常陸野ネストビール、SPRING VALLEY Brewery 東京、横浜ベイブルーイング、横浜ビール、Baird Brewing、OH!LA!HO BEER、ヤッホーブルーイング、松江ビアへるん(順不同)

ブルワリーのコンセプトは、「ローカルブルワリー(地方のビール醸造所)。日本一知名度の低い県『しまね県』を感じられるビールづくりを目指しています」と、代表取締役社長の矢野学氏は自虐的に話します。ブルワリーは、今年創業20周年を迎えました。最初の数年は、自分たちの味を表現することに試行錯誤を繰り返し、行きついたのが「香り濃厚! 味わい濃厚! それでいて後口はすっきりなビール!」でした。これは「旨味重視である島根料理に合うビールを追求した結果、濃厚ビールになりました!」といいます。

継続してFHFに参加をしている理由について「しまねで育てたホップを感じてもらうには、フレッシュホップ(生ホップ)のビールが一番と思ったからです! よりローカルを感じいただけるのが、フレッシュホップだと考えています」。

松江ビアへるんのフレッシュホップビールといえば熱心なビアファンにはお馴染みの「ゼウスビター」。自家栽培ホップ「ゼウス」を使用しています。一昨年より麦芽も島根産を使用することで、よりローカルを意識したビールになっています。

毎年秋に発売されるゼウスビター【2015年9月撮影】

昨年は自家栽培のゼウスを100%使用したゼウスビターの醸造を計画していましたが、猛暑の影響もあり収穫量が少なく実現しませんでした。今年は悲願の島根県産原料100%のゼウスビターを目指してホップ栽培を行っています。

8月4日(日)には、毎年恒例となったホップ収穫体験会の開催も予定(既に定員に達しているため募集は締め切られています)しており、ビアファンに原材料への理解を深める活動もしています。

ホップ摘み体験で参加者に説明する矢野社長【2018年8月撮影】

仕込みは9月に行い、販売は10月になる予定です。フレッシュホップビールとしては少し遅めの発売になりますが、お楽しみは後にとっておくのも良いのではないでしょうか。


◆松江ビアへるん(島根ビール株式会社)Data

住所:〒690-0876 島根県松江市黒田町509-1

電話番号:0852-55-8355

Homepage:http://www.shimane-beer.co.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/beerhearn/

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは1500種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

日本ビアジャーナリスト協会ホームページにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。