今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

【静岡】その名も「GREEEN」。狩猟・採集・栽培で素材をまかなうFUJIYAMA HUNTER`S BEERが重んじる「採れたて」のライブ感

ライター 山口紗佳

静岡県富士宮市の中山間地「柚野(ゆの)」
大自然に囲まれた富士山の麓に2018年4月に誕生したのが「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」です。名前の通り、ブルワーの深澤道男さんは現役猟師。猟期の冬場は毎日のように柚野の郷におりてくるシカやイノシシを狩り、その肉は富士山本宮浅間大社近くの直営タップルームでパテやソーセージ、グリル、煮込み料理としていただくことができます。

▲農作物への鳥獣被害を減らすために狩猟免許を取得。仕留めた獲物は県内外のビアバーやフレンチレストランで提供中

▲富士山本宮浅間大社からほど近くにある直営タップルーム。旬のビールと一緒にジビエ料理も楽しめる

深澤さんは、「地ビール」とうたいながらも原材料のほとんどを海外産に頼らざるを得ない現状に疑問を抱き、2010年から柚野の耕作放棄地を使って大麦栽培を開始。やがて、センテニアルやカスケードなど、ホップの栽培にも着手し、2014年にAOI BREWINGで自社麦芽を使った『静岡ゴールデンエール』を、2016年に御殿場高原ビールで自社麦芽とホップを使った『静岡ラバーズセゾン』を醸造。徐々に自家栽培原料の使用比率を上げるなどして試行錯誤を重ね、そして2017年、ついに自家製麦芽100%とホップ、柚野で採集した希少な日本蜜蜂のハチミツと柚野産の柚子を使ったセゾンスタイルの『FUJIYAMA SAISON』を完成させました(「AOI BREWING」で醸造)。
すべて地元産、柚野の恵みで醸すビールです。

 

自分の手で育てたものと柚野の風土が醸す純富士宮産ビール

▲柚野のブルワリー近辺に二条大麦畑。麦秋になると、黄金色の麦穂の海が広がる。

百姓であり、猟師であり、醸造士でもある深澤さんが目指すのは、「ふるさと柚野の自然の恵みをうつすビール」。素材の組み合わせ次第で無限の可能性を秘めるビールに、豊かな環境資源を次世代へとつなぐバトンを見出しました。

使う素材はもちろん富士宮産。
米や梅、柚子、桃、スイカ、杉やヒノキなど、自然素材と組み合わせて、「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」でしか表せないビールで楽しませてくれます。最近ではイベントにも積極的に出店し、地元富士宮市ではもちろん、県内外の人からも「なんだかおもしろいビールがあるぞ」と評判を呼ぶようになった「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」。そのキーワードは「旬をうつす採れたて生」。

▲自社栽培のホップ収穫。籠を背負うのは代表でありブルワーの深澤道男さん

ユニークでワイルド。採れたてフレッシュなライブ感

ブルワリーの特徴を深澤さんに伺いました。

「ブルワリーは電車もバスもない田舎にあります。上水道がないので富士山麓の湧水のみで仕込み、水質調整も行いません。原料、副原料はできるだけ自社生産、採集もしくは身近なものを使用しています。海外のモノマネや大量生産を目指すのではなく、つくればつくるほど自然が豊かになり人を幸せにするビールづくりを目指しています」

土とともに生きるブルワーが醸すのは、その土地の「今」を表すビール。
型にはまらない独自のスタイル、—―というよりは、むしろでき上がったものが「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」のスタイルといえるでしょう。今年も1回目のホップの収穫を終え、8月中旬から早々にフレッシュホップビールをリリースしています。

▲収穫後、手揉み作業を終えて麦汁に投入される自社栽培のホップ 

その名も「~ GREEEN ~グリーン」

フレッシュホップフェストは今年初めて参加を表明した「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」
参加した理由について、

「日本全国のフレッシュホップに関わる有意識者とつながりができそうでしたので、参加させていただきました」

そう語ってくれた深澤さん。
6月27日に開催された東日本ホップセミナーにも参加し、フレッシュホップの品種による特徴の違いや醸造技術、香りを上手にビールに取り込む技法などを学びつつ、「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」らしいオリジナリティをもつフレッシュホップビールづくりに活かします。
こうして今月できあがったフレッシュホップビールはこちら。

ABV4.5%、Fresh Hop Aleの「~ GREEEN ~グリーン」。現在タップルームで提供中です。

「自社自然栽培フレッシュホップ4種100%使用。採れたて生ホップにしか出せない優しく新鮮な風味を大事に醸造しました。とびきりなビールの『旬』をお楽しみください!」

さらに9月頭にかけては、今年最初に登場したウィートベースのフレッシュホップビール「MIYA HOP 2019Ver.」もごく少量ながら数量限定で登場予定だとか。

▲7/27~28「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア」に登場した宮ホップを使った限定ビール「DOKANTO IPPATsU MIYAHOP(ドカンと一発宮ホップ)」。まさに青々しいホップが大爆発といったインパクト抜群の味わい

次回のホップ収穫分を使い、9月末にもフレッシュホップビールをリリース予定。
斬新さとライブ感たっぷり、とびきり独創性に富んだ「FUJIYAMA HUNTER`S BEER」のフレッシュホップビールをお楽しみに!

※ブルワリー紹介はこちらもどうぞ
【静岡】富士の地に宿る “ごちそう ”で百姓猟師が醸す「FUJIYAMA HUNTER’S BEER」が5/4(金)蔵開き。農泊や市街地のタップルーム開業も目指す

DATA 

FUJIYAMA HUNTER`S BEER
ブランド名:FUJIYAMA HUNTER`S BEER
所在地:静岡県富士宮市大鹿窪1428-1(ナビ上の入力は末尾「大鹿窪1427」推奨)
醸造開始日:2018年4月
HP:http://farment.sakura.ne.jp/

ライター

1982年、愛知県出身静岡県在住。中央大学法学部法律学科卒業。
名古屋で結婚情報誌制作に携わった後、東京の編集プロダクションで企業広報、教育文化、グルメ、健康美容、ライフスタイル、アニメなど多媒体の制作経験を経て静岡でフリーライターに。静岡のビール事情をお伝えします。

実績:『静岡クラフトビアマップ県Ver.』『世界が憧れる日本酒78』(CCCメディアハウス)、『ビール王国』(ワイン王国)、グルメ情報サイト『メシ通』(リクルート)、静岡朝日テレビ・静岡FM放送「k-mix」出演等