今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

201991(日)1130(土)

宮崎ひでじビールは今年も自家製ホップで「九州LAGER」を醸造します!

ビアジャーナリスト/ライター コウゴアヤコ

九州の恵みを農作物で表現する「九州LAGER」

宮崎県延岡市にあるクラフトビール醸造所、宮崎ひでじビールでは、2016年から地域の農家と協力してホップを栽培しています。

収穫したホップは2019年の今年も昨年同様、乾燥真空冷蔵で保存し、食の宝庫九州の素材にこだわった「九州CRAFT」シリーズの「九州LAGER」にドライホッピングで使用されます。

「九州LAGER」は主原料に、自社栽培のホップをはじめとした九州産ホップと、日本産の“いぶき”ホップを合わせ、九州産の大麦を使用して造られる、ひでじビールの新定番商品。
和のホップ“いぶき”に添えられた、九州産・宮崎産ホップのフローラルな香りと苦みがこのビールに奥行きを与えています。
低温でゆっくりと醸された、爽快感のあるピルスナースタイルのビールです。

「九州LAGER」には自家製ホップも一部使用

ホップを育てることで地域の農業を応援したい

ホップの主要産地といえば、岩手県の遠野市や、ドイツのハラタウ地方に代表されるような冷涼な地。
それにもかかわらず、なぜ温暖な宮崎県でホップを栽培に挑むのでしょうか?

その理由は醸造所の理念である、地元宮崎の風土を最大限に生かし世界で愛されるビール造り、「Think Global, Brew Local」にありました。

宮崎ひでじビールは、「農園プロジェクト」として、宮崎の農畜産物を積極的に利用した商品を開発し、地域農業の活性化を目指しています。
昨年からは「九州CRAFT」ブランドを立上げ、さらに広く九州の素材の積極利用を進めています。

その取り組みのひとつとして、地元産原料100%のビールを目指し、提携農家と連携してビール大麦、ホップの栽培への挑戦が始まったのです。
ホップはカスケードとナゲットの2種類が、山間部に近く涼しい宮崎県内2地域(延岡市北方町、五ヶ瀬町)の圃場で栽培されています。

ホップの栽培は滑り出し順調で、栽培から2年目の2017年には海外産に劣らないアルファ酸を持ったホップが収穫され、宮崎県産ホップ100%ビールが限定醸造ながらもリリースされました。
しかし2018年は霧島連山の噴火による火山灰や、大規模な台風の影響を受け、収穫量は減少。
2019年の今年は、生育期の降水量不足やその後の豪雨、収穫時の長雨などの影響を受け、20Kg程度の収穫量。期待したような収穫を得ることができませんでした。
農業試験場と協力しながら原因を検証し、来年以降に役立てたい考えです。

6月のホップ畑

自然が相手の農業。なかなか人間の思惑通りにはいきません。
“ビールは農作物からできている”と感じさせられます。

それでも地域の農業を応援するため、また九州の魅力をグローバルに伝えるために、宮崎ひでじビールの挑戦は続いています。

宮崎の恵みをみんなで味わう祭り「秋のむかばきビアフェスタ2019」

宮崎ひでじビールでは、9月28、29日9月21、22日に醸造所の敷地内で「秋のむかばきビアフェスタ2019」を開催します。
もちろん「九州LAGER」も味わえます!

当初、9月21、22日に開催予定でしたが、台風の進路及び、発達中の前線の影響等による開催の安全性を考慮し、延期になりました。

宮崎ひでじビールの定番商品や秘蔵の樽生、北海道から沖縄まで日本各地の醸造所32液種のゲストビールとともに、宮崎グルメが楽しめるこのイベント。
地元の方々も大勢参加し、ひでじビールが地元に愛される醸造所であることが感じられます。

地元宮崎を愛しグローバルに伝えていく、宮崎ひでじビールの取り組みを、その目で舌で確かめにいらっしゃいませんか?

【秋のむかばきビアフェスタ2019】
日時/ 2019年9月28日(土)29日(日)9月21日(土)22日(日)11:00~21:00
場所/ 宮崎ひでじビールむかばき醸造所(宮崎県延岡市むかばき町747-58)
料金/ 入場無料。ビール1杯500円、フードは300円から。落ち着いて七輪BBQ が楽しめる「森のBBQコーナー」はフード付き2名3,000円(飲み物は別)
公式Facebook/ https://www.facebook.com/mukabaki.beer.festa/

☆写真はすべて宮崎ひでじビール様よりご提供いただきました

ビアジャーナリスト/ライター

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。