今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

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“BREW LOCAL” 九州の恵みを共に醸すための取り組み【宮崎ひでじビール】

ビアジャーナリスト/ライター コウゴアヤコ

九州宮崎県延岡市にあるクラフトビール醸造所「宮崎ひでじビール」で、今年もホップの栽培が始まりました。

ホップの主要産地といえば、ドイツのハラタウ地方やアメリカのオレゴン州に代表されるような冷涼な地。
それにもかかわらず、なぜ温暖な宮崎県でホップを栽培するのでしょうか?

それの理由は醸造所の理念、地元宮崎の風土を最大限に生かし世界で愛されるビール造り、「Think Global, Brew Local」にありました。
宮崎ひでじビールは、地域産原料の使用量を増やし、地域農業の活性化を目指しています。

オール宮崎県産のビールを目指し、2016年には麦芽・酵母・水の3つに宮崎県産のものを使用した「YAHAZU PILSNER」をリリースしました。

みやざきモルト100%を実現したYAHAZU PILSNER【同社ホームページより)

残る原材料は、ビールの魂とも言われているホップ。
涼しい山間部に近い圃場が選ばれ、2016年から近隣の農家と協力してホップの栽培が始まりました。

初めての収穫(2017年7月14日)

2017年は栽培から2年目にして海外産のホップに劣らないアルファ酸を持ったホップが収穫され、翌年は品質・収穫量共に飛躍が期待されていました。
しかし2018年は霧島連山の噴火による火山灰や、大規模な台風の影響を受け、収穫量は減少したのです。
それでも良質なホップが収穫でき、九州CRAFTシリーズの「九州LAGER」にドライホッピングで使用されました。

「南国育ちの影響でしょうか、香りは非常に華やかな柑橘系の感じがします」と醸造担当の梶川さん。

九州CRAFT 九州LAGER[Pilsner]
九州育ちの麦と和ホップが醸し出す味わいに、九州ホップのやわらかなフローラル感がほんのり香るピルスナー。低温でゆっくりと醸す爽快感のあるビールです【同社ホームページより】

2019年の今年は、宮崎県内2地域(延岡市北方町、五ヶ瀬町)のホップ圃場で、健やかに成長しています。

北方圃場

五ヶ瀬圃場

4月頭に株開きを行い、同月末には芽の剪定と蔓の誘引が行われました。

今年は大きな自然災害に見舞われることなく無事にホップが成長し、昨年同様宮崎の魅力が表現されたビールが醸造されることを祈るばかりです。
“ビールは畑の作物から造られる”そのことを実感します。

地域の恵みを醸し、伝え、ジャパニーズクラフトビールの更なる可能性を追求する宮崎ひでじビールの取り組み、宮崎県産ホップの栽培の様子は引き続きこのサイトでお知らせします。

【栽培面積】
延岡市北方町 1,000m2
五ヶ瀬町   800m2
【栽培品種】
カスケード、ナゲット

☆写真はすべて宮崎ひでじビール様よりご提供いただきました

ビアジャーナリスト/ライター

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。

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