Nakatsu breweryは、大阪府大阪市北区中津にある築55年のビルの地下駐車場内に造られたブルワリーです。運営は街づくりのコンサルティング事業を手掛ける株式会社NI-WA。
現在は醸造免許申請中ですが、開業後はODM(Original Design Manufacturing)方式による委託醸造をベースとして、企画デザインからレシピづくり、製造までの一連の工程を、依頼者と一緒に体験できる事業を展開する見込みです。2020年のコロナ禍でコミュニケーション手段が変化する中、ビール造りを通じて仲間の輪を広げ、地域コミュニティの活性化の一助になることを目指しています。
Nakatsu breweryのブルワーの鈴木悟さんに、ブルワリーの構想とフレッシュホップビールについて聞きました。
奈良県の耕作放棄地を購入してホップ栽培を開始
――Nakatsu breweryについて教えてください。
鈴木悟(以下、鈴木): 市民活動の一環として大阪でホップ栽培をしていた「ウメキタホッププロジェクト」(2019年より「THANKS HOP」に名称変更)と、大阪市北区のブルワリー「ブリューパブセンターポイント」から問い合わせがあったのをきっかけに、ブルワリーに先駆けてホップ栽培をスタートしました。当社は本業がグリーンなコミュニティを形成するサービス業なので、ホップには以前から興味があったんです。
さらに、栽培を手掛ける方々が楽しみながら作業する様子を見て、いずれ自分たちでビール醸造までできたら面白いんじゃないかと思ったのが立ち上げのきっかけです。免許取得後は関連団体や企業に向けたOEM(Original Euipment Manufacturering)、ODM醸造をメインに稼働する予定ですが、地域に根差したブルワリーを目指して、地元の方に向けたサービスも検討しています。
――ホップはどこで栽培していますか?
鈴木:当初はビルの屋上やメンバーの自宅のプランターで栽培していましが、2020年3月から奈良県生駒郡平群町の住宅街に本格的な圃場を造って「Heguri Cultural Farming」 として栽培を始めました。
ここはもともとは耕作放棄地で、放っておけば宅地開発される土地でした。
しかし高齢化で人口が減り続ける平群町に住宅地を造っても、20~30年後には誰もいなくなるかもしれません。それに危機感を抱いて土地を購入した当社社員の思いを汲んで、ホップ圃場として活用することにしました。
面積は400平方メートルの土地に現在はカスケードを75株栽培しています。山梨県北杜市の「ホップ農家小林」の小林吉倫さんを招いて、アドバイスを受けながら栽培に着手。来年は株数も品種も2、3種類に増やす予定です。2020年は長雨の影響を心配していましたが、無事に16キログラム収穫できました。
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――Nakatsu breweryのフレッシュホップビールは?
鈴木:収穫したカスケードをふんだんに使用して、シトラスの香りのするIPAを醸造したいと思っています。リリース日は醸造免許取得次第ですが、名前は「Fresh Heguri beer」を予定しています。1ロット約200リットルの小規模醸造所なので大量には製造できませんが、期間限定の贅沢なビールをぜひ味わっていただけるとうれしいです。
Nakatsu breweryのフレッシュホップビールはホップ生産地の奈良県生駒郡平群町、もしくはブルワリーのある大阪市北区中津にて提供する予定です。
※写真提供:Nakatsu brewery
DATA
Nakatsu brewery(中津ブルワリー)
住所:大阪市北区中津3丁目10-4西田ビルB1F
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