2019年9月1日(日)~11月30日(土)の3ヶ月間。今年収穫された日本産ホップを使って醸造されたビールを楽しむ祭典「Fresh Hop Fest(以下、FHF) 2019」が開幕します。
FHFは今年で5回目をむかえ、参加ブルワリーは昨年の52を超える83 となっています(※1)。初回(2015年)の12から比べると実に7倍近くとなります。数だけみてもフレッシュホップへの関心の高さが伺えます。
※1 2019年8月30日現在
しかし飲み手には、正直まだFHFの意図が十分に浸透していない現状があります。ですから最初に「なぜFHFを行うのか」について説明していきたいと思います。
現在、日本産ホップは生産量が減少傾向にあります。直近10年でみると約半減と大きく減ってきています。この理由として農家の高齢化と担い手不足の進行が挙げられます。後継者や新規就農者の確保が急務となっているのです。そこで日本産ホップを守るため、「Fresh Hop Fest委員会(現 日本産ホップ推進委員会)」が立ち上げられ、飲み手にも醸造家にも日本産ホップの価値を知ってもらうことを目的にイベントや勉強会を開催。徐々に趣旨に賛同する輪に広がりをみせています。
もう1つの目的が日本オリジナルのビアスタイルを確立することにあります。アメリカのクラフトビールに代表されるようにホップのキャラクターは多様な個性を生み出し、アメリカンIPAやHazy IPAと新しいスタイルを誕生させました。「ビールの魂」と言われるホップは、その個性により様々なキャラクターを確立させる可能性を秘めています。他にない香りや苦味成分をもつ日本産ホップを生産することができれば、ジャパニーズ○○といった今までにないビールを世界にアピールできるかもしれないのです。
このような理由から日本産ホップの生産を増やしていきたいという思いで活動を続けています。
筆者は第1回目よりFHFを見てきていますが、これまでは農家は「日本産ホップを栽培したい」。醸造家は「フレッシュホップでビールをつくってみたい」。料飲店は「新しい限定ビールを販売する」と、それぞれの思いが点となってしまいつながりが希薄な状態でした。
しかし今年は、農家の「日本産ホップを盛り上げたい。ホップ栽培を根付かせたい」という思いを醸造家が「農家が一生懸命育てたホップで、フレッシュホップビールをつくり思いを届けたい」と、点が線でつながりをみせています。まもなく開幕するFHF2019では、醸造家が思いを形にしたビールを料飲店が提供するステージとなります。2019年9月1日(日)~11月30日(土)の3ヶ月間、全国各地のビアバーや料飲店で参加ブルワリーのフレッシュホップビールが随時開栓されていきます。現在、日本産ホップ推進委員会ではフレッシュホップビールをつなげてくださるお店を募集しています。「日本産ホップを応援したい!」と賛同くださる店舗様、登録よろしくお願いします。提供する店舗についてはこちらのサイトでも随時ご紹介していく予定です。飲み手の方も行きつけのお店で「フレッシュホップビールつないで!」とアピールしていただけると嬉しいです。
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また、タップ・マルシェにおいても10月3日(木)より「SPRING VALLEY BREWERY Hop Fest(SVB)」、10月15日(火)より「常陸野ネスト Hop Fest 2019(常陸野ネストビール)」の2種類が販売されます。
イベントとしては、2019年10月12日(土)~13日(日)に銀座にある「BEER TO GO by SPRING VALLEY BREWERY」にて「GINZA de FRESH HOP FEST 2019」を開催します。フレッシュホップビールは、ブルワリーにより仕込む日程が異なるため、どのブルワリーのフレッシュホップビールが登場するか未定ですが、30社程度のビールが販売される予定です。この他にも計画中のイベントもあるとのことなので、お知らせできる段階になりましたら料飲店同様にこちらで告知いたします。
今年採れた日本産ホップを使ったフレッシュホップビールが味わえる3ヶ月間がいよいよスタートします。ぜひ皆さま、農家・醸造家の思いが込められたビールをご賞味いただき、ホップに関心を向けてもらえればと思います。