今年収穫した日本産ホップでつくったビールを楽しむお祭り

202091(火)1130(月) また来年乾杯しましょう!

Fresh Hop Fest 2020 オンライン会場はこちら

上富良野でホップ達人と共に歩む忽布古丹醸造の夢

古川 人士

忽布古丹(ホップコタン)のある上富良野は北海道の真ん中あたり、大雪山系十勝岳の西に位置します。
富良野といえば何を連想しますか?広大なラベンダー畑?それともドラマ「北の国から」でしょうか?
実は、上富良野は北海道で唯一ホップが生産されている地域なのです。

北海道から始まった日本のホップ

歴史を紐解くと、1872年、北海道開拓のために地質調査を行っていたトーマス・アンチセルが野生のホップを発見したことに端を発します。
その後、サッポロビールの前身となる「開拓使麦酒醸造所」が開業。
当初、東京で試験醸造の後に移設予定だった計画を変更した理由の一つに、このホップがありました。
更に、道内でホップ栽培に適した土地の探索が行われ、最適地と評価されたここ上富良野で1925年からホップ栽培が始まります。

上富良野は、ホップ栽培の長い伝統をもつ町なのです。

その町のホップ生産の「達人」が作ったカスケードとの出会いが、堤野氏を新たなステージへ導く事になります。

忽布古丹醸造の誕生

忽布古丹醸造は元ノースアイランドビールのヘッドブルワー堤野貴之(つつみの たかゆき)氏が2017年1月に設立。
その後、クラウドファンディングで資金を調達し、元うしとらブルワリーのヘッドブルワー植竹大海(うえたけ ひろみ)氏が合流して大きな一歩を踏み出します。

「忽布」はホップの当て字。「古丹(コタン)」は集落を意味するアイヌ語。まさに上富良野にピッタリの名前です。

上富良野を選んだ理由は、ホップ生産の達人が作った素晴らしいカスケードと出会い、その「地ホップ」を使って、その地でビールを作りたい、と考えたから。
それまで使ってきた、生産者を意識しなかった海外のホップとは違う、生産者の顔の見える「あのホップ」を使った時の不思議な感覚に導かれ、この地に醸造所を作ることを決意しました。

目標としているのは、100%上富良野産ホップを使い、そのフレーバーの特徴がしっかりと感じられる高品質なビール。
また、上富良野では大麦栽培もされており、ビールの主原料(水、ホップ、麦芽)を全て使った主原料100%上富良野のビールが忽布古丹醸造の夢です。

上富良野のホップたちの現在

現在、上富良野のホップ生産者さんの圃場の一部で、忽布古丹醸造向けホップが栽培されています。
主なホップ品種はカスケード。
今年3年目で、アメリカで生産されたものよりも優しく、柔らかい印象だそう。
同じ品種であっても地域の風土でキャラクターにも違いが出るようです。

醸造開始から様々なビールを作り続けてきた忽布古丹醸造ですが、今年2月から定番化したHOP KOTAN ORIGINALSシリーズの3種は上富良野産ホップ100%です。
上富良野産ホップのフレーバーを生かしたビールが今後もORIGINALSに追加されていくことでしょう。

HOP KOTAN ORIGINALS

定番化したHOP KOTAN ORIGINALS

現在、ホップの蔓は高さ5.5mの棚上部まで到達。開花にはもう少しかかりそう。
ホップの収穫体験はクラウドファンディングの出資者限定になりそうです。
また、ホップ自身の外販はありませんが、フレッシュホップを使ったビールは販売します。

ホップたちのこれからの成長をお楽しみに!

忽布古丹圃場

ホップ圃場 2020年6月24日撮影

DATA

  • 所在地: 北海道空知郡上富良野町西8線北33号(※醸造所)
  • 管理者: 堤野貴之(つつみのたかゆき)
  • URL: http://hopkotan.com/
  • 購入方法: ホップの外販なし
  • 栽培面積: 34アール
  • 栽培年数: 3年目
  • 栽培品種: カスケード

1975年名古屋生まれ。2003年に就職して上京。
社会人になって趣味で登山を始め、山頂で飲むビールの美味さに感動。
さらに、登山で訪れた街のビアバーでクラフトビールの美味しさに目覚める。
ビールの魅力にはまり、2017年に日本ビール検定2級に合格。

自分の感じたビールの魅力や楽しみ方を、様々な方法で発信していきたいと考えています!

フレッシュホップフェスト2020記念オリジナルグラウラー発売中

フレッシュホップフェスト2020
記念オリジナルグラウラー発売中

購入はこちらから