「参加者の皆さんが、『ホップを見たことがなかったから楽しかった』や『これがビールになると思うと(飲んだ時の)味が変わるね』と笑顔で帰っていく姿を見送りながら、準備は大変だったけどやって良かった」と松江ビアへるん(島根ビール株式会社)の矢野学社長は話してくれました。
コロナの影響で参加者は半減
今年のホップ摘みツアーは、新型コロナウイルスの影響で参加者が22名と例年に比べて約半数に。開催にあたり感染防止を図るために、マスク着用やアルコールによる手指消毒、一番のお楽しみである収穫後の宴会も自粛し、万全の態勢で行われました。
参加人数が減ってもホップの栽培面積は昨年と変わらないため、一人当たりの収穫量は必然的に上がります。当日は曇りであったため直射日光はまぬがれたものの、気温は30度で湿度も高く、マスクをしたままで農作業をこなすことは暑くて大変でした。
昨年はゆっくり談笑しながら行なっていましたが、今年は黙々とホップを摘み取ることに。矢野社長はそこまで意図していなかったものの、結果的にはソーシャルディスタンスを保ち集中して収穫することになりました。
草のような碧い香り
「今年はホップの実が熟して、良い状態で収穫ができました」
と語ってくれた矢野社長。うまく栽培できた理由を尋ねたところ
「コロナの影響でビアフェス等のイベントがなくなってしまったので、例年より畑に手をかけることができました。こまめに草刈りを行い、苗の育っている状況を見ながら肥料を与えていたんです。土のpH(酸性度・アルカリ性度)調整もうまくいきました」とのこと。
「10年目を迎えるゼウスは、収穫の時期をわざと遅らせたので大きさは変わらないのですが、草のような碧い香りが昨年より増してルプリンの色も濃いように感じます」
と続けて答えてくれました。
同圃場では、ゼウスの他にチヌーク、センテニアルも栽培しています。
「3年目のチヌークは、身の形状に特徴が表れました。昨年はゼウスと同じような丸みを帯びた小さい実でしたが、今年は明らかにコーンの形状が縦に長く成長していました」
と順調に収穫。
ただ、センテニアルは芽がほとんど出ず、ほぼ全滅に近い状態に。原因は、自動で畑に水を散布する装置が故障してしまったため。水が足りていなかったのか、株の寿命なのか判断しかねるとのことですが、わずか0.2kgの収量でした。
「ゼウスビター2020」の発売は?
島根県産フレッシュホップを使用したビール「ゼウスビター2020」は、10月〜11月ごろの完成予定。ツアーに参加した方は「私のホップが入ったビール」ということで、美味しさに格別の違いがあると思いますが、参加できなかった方も松江ビアへるんのサイトで購入が可能ですので、ぜひお試しください。
松江ビアへるんは、ホップ栽培を始めて今年で10年。試行錯誤を繰り返し島根県産ホップの品質の向上に取り組んでいます。来年はコロナが収束し、現地で収穫祭ができることを願わずにはいられません。
ホップカレンダー
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【圃場】
所在地:島根県松江市黒田町509-1 松江堀川地ビール館花壇・その他数カ所
管理者:島根ビール株式会社 代表取締役 矢野学
http://www.shimane-beer.co.jp/index.html
栽培年数:10年目
栽培品種:ゼウス、センテニアル、チヌーク
栽培面積:220㎡
収穫目標量:30kg(生ホップ重量)
*ホップの販売は行っていません。
【島根ビール株式会社】
住所:島根県松江市黒田町509-1(松江堀川・地ビール館内)
営業時間:9:00~17:00(土・日曜を除く)平日の祝日は営業
http://www.shimane-beer.co.jp/index.html
【松江堀川地ビール館】
住所:島根県松江市黒田町509-1
営業時間:年中無休
物産館・地ビールカウンター/9:00~17:30
ビアレストラン/11:00~17:30*ラストオーダー16:30
https://www.ichibata.co.jp/jibeer/index.html
*詳しくはHPでご確認ください。