ホップの役割とは?ビールにもたらす効果を解説
前の記事「ホップがビールに使われたのはいつから?ホップの歴史を紐解く」で、ホップの効果は下記の5つだと紹介しました。
- 雑菌の繁殖を防ぐ
- 苦味をつける
- 香りをつける
- たんぱく質を沈殿させて濁りを抑える
- 泡持ちをよくする
この記事では、ホップの5つの効果について解説します。
雑菌の繁殖を防ぐ
ホップには雑菌の繁殖を防ぐ殺菌作用があります。この殺菌作用によって、ビールを腐敗から守り、冷蔵技術が発達していない時代でも劣化しにくくなっていたと考えられます。イギリスからインドへ運んだIPA(インディアペールエール)も、ビールをできるだけ劣化しないようホップを大量に使ったとい
苦味をつける
ホップがビールの味わいにもたらす大きな効果は苦味付けです。ホップの毬花にあるルプリンには、アルファ酸という成分があり、熱を加えるとイソアルファ酸へと変化します。このイソアルファ酸がビールの苦味のもととなります。他にも苦味のもととなる成分はありますが、最も重要なのはこのアルファ酸です。
香りをつける
香り付けもホップの効果のひとつです。ビールには酵母や麦芽由来の香りもありますが、ルプリンにはさまざまな香り成分が含まれており、ホップの種類によって香りも異なります。一般的に、ビール醸造では複数種類のホップを使用することで、複雑な香りをつくり出します。
たんぱく質を沈殿させて濁りを抑える
ビールにはたんぱく質が含まれており、それが濁りの原因となってしまいます。ホップには麦芽由来のたんぱく質と結合するポリフェノールが含まれており、たんぱく質を沈殿させることができます。このたんぱく質を除去することで、ビールの濁りを抑えることができるのです。
泡持ちをよくする
泡持ちをよくするのもホップの効果です。ビールの泡は麦芽のたんぱく質とホップの成分によってつくり出されるもので、ホップがあるからこそ泡が持続するともいえます。
次の記事「ビール醸造でホップはどう使う?醸造工程とともに紹介」では、ビール醸造でどのようにホップを使用するのかを紹介します。