ビールに使われるホップとは?苦味と香りのもととなる原料
ビールの主原料であるホップとは、どのような植物なのでしょうか。ビールの主原料であることは知っていても、詳しく知っている人はあまり多くないかもしれません。
8メートルの高さまで伸びるホップ
ホップとは、アサ科カラハナソウ属の多年草です。和名は「セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)」といいます。ホップは蔓性で、成長しても自らを支えることができないため、他の植物などを支えにして上に伸びていきます。成長が早く、1年で8メートルほどの高さにまで伸びるのが特徴です。
多年草であるため、蔓は1年で枯れてしまいますが、また翌年には残った株から芽を出し、蔓が伸びていきます。中には、30年近く栽培されるものもあるといわれています。
毬花に含まれるルプリンがビールの苦味と香りのもと
なお、ホップは雌雄異株で株によって雌雄が異なり、ビールに使われるのは雌株のほう。ただし、「ビールに使われるのは」といっても、ホップはビール以外にほとんど使用用途がありません。ビールのために生まれてきた植物といってもいいくらいです。
雌株には毬花(まりはな、きゅうか)という花のような実のような部分があります。これは雌株にしかありません。雄株が近くにあって雌株が受粉してしまうと、香りなどに影響が出てしまうため、雌株だけを栽培するようにしています。
毬花を割ってみると、中には小さくて黄色い粒があります。これはルプリンといって、この中にビールの苦味や香りのもととなる物質などが入っているのです。
ホップの種類によって、ルプリンに含まれる物質の量などが異なり、ビールの香りと苦味に影響してきます。ホップの種類によって味わいが変わるのも、ビールの楽しさのひとつといえるでしょう。
では、ホップはどのようにしてビールの原料として使われるようになったのか、次の記事「ホップがビールに使われたのはいつから?ホップの歴史を紐解く」で紹介していきます。