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【ホップ概論 第2回】ホップはなぜビールに使われるようになったのか?

【ホップ概論 第2回】ホップはなぜビールに使われるようになったのか?

現在ではビールに欠かせないホップ。ですが、いつ頃からホップがビールに使われるようになったのかは定かではありません。

7、8世紀にはヨーロッパでホップ栽培の記録があるようです。といっても、ただ栽培していたというだけのようで、いつからビールに使用したかはわかりません。ホップはビールにしか使われないものたったので、その記録の頃から使っていたのではないかという説や、11、12世紀頃ではないかという説もあります。

では、ホップが使われるまでは何が使われていたのかというと、複数のハーブ類を調合したグルートと呼ばれるものでした。グルートは、アニスやハッカ、クローブ、ヨモギといったものを調合しており、ホップもそのひとつとして使われることもあったようです。そして、徐々にホップがメインとして使われるようになっていきますが、それはホップに次のような効能があることがわかったからです。

  • 雑菌の繁殖を防ぐ
  • 苦味と香りを加える
  • タンパク質を沈殿させて濁りを抑える
  • 泡持ちをよくする

ホップが使われるようになってきた当時では、雑菌の繁殖を防ぐということが第一だったと思われます。それに加えて、味わいや見た目にもよい効能があったため、ホップはビールに欠かせないものとなっていきました。

例えばドイツでは、当時のバイエルン公国で1516年にヴィルヘルム4世が「ビール純粋令」を制定。ビールの原料のひとつとして、明確にホップが記載されるようになります。その後、ドイツ全土に広まり、ビールには必ずホップが使われるようになったのです。

もちろん、ドイツ以外でも現在ではほとんどのビールにホップが使われていますが、実はホップを使わないビールもあり、日本でも飲むことができます。

それは、ベルギーのフルート醸造所が造る「フルート」というビール。発音は「フルート」ですが、スペルは「Gruut」。まさにグルートを使って造られたビールで、スタイルはウィット、ブロンド、アンバーなどがあります。

フルート・ウィット

フルート・ウィット

このようにホップを使わないビールもありますが、ほとんどのビールはホップがあってこそ。ホップの効能がビールのクオリティアップにつながっているのです。

では、ホップをビール醸造にどうやって使うのか、についてはまた次回。

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: http://www.hiroyukitomie.me/
Website: 地域とビール

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