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フレッシュホップビール官能評価会 <br>2022年は20社が参加

フレッシュホップビール官能評価会
2022年は20社が参加

2022年のフレッシュホップフェストは3年ぶりのリアルイベントも盛大に行われました。その余韻も冷めやらぬ11月、スプリングバレーブルワリー東京にて「フレッシュホップビール官能評価会」が開催されました。開催の目的は、フレッシュホップビールの品質向上、さらに日本産ホップビールの価値向上があげられます。

2022年にフレッシュホップビールを醸造したブルワーが一堂に会し、各社のフレッシュホップビールを飲み比べて官能評価(テイスティング)とディスカッションを行うというものです。

この評価会が初めて開催された2021年は9社の参加でしたが、2回目となる今回は2倍以上の20社の参加となり、11月2日(11社)、25日(9社)の2回に分けて行われました(キリンビール・スプリングバレーブルワリーは両回とも出席)。2回とも内容・進行は全く同じように行われましたので、まとめてリポートしたいと思います。

参加したブルワリー名(50音順)

  • ISHINOMAKI HOP WORKS
  • いわて蔵ビール
  • 羽後麦酒
  • オラホビール
  • かけはしブルーイング
  • 籠屋ブルワリー
  • コエドブルワリー
  • 湘南ビール
  • 遠野麦酒ZUMONA
  • 那須高原ビール
  • NAMACHAん Brewing
  • 常陸野ネストビール
  • Far Yeast Brewing
  • ベアレン醸造所
  • ホップガーデンブルワリー
  • 南横浜ビール研究所
  • ヤッホーブルーイング
  • 横浜ビール
  • ロコビア
  • 和歌山ブルワリー

ブラインドテストによる相互評価

最初に行われたのは、各社のフレッシュホップビールのブラインドテストです。番号だけが記されたビールの入ったプラカップを使用してテイスティングを行うというものです。11月2日は12種、25日は11種(1社のみ2種類のビールを出品)から、まず各参加者が優れていると思う3種を選びます(ビアスタイルは問わず)。

その結果を集計して、全体としての評価を共有しました。各参加者は真剣な面持ちでテイスティングを行い、メモを取る様子が見られました。

数値分析結果の報告

次は、数値分析結果の報告と説明です。事前にキリンビールの施設にビールを送付して分析を行ってもらい、その結果が配布されました。分析結果は、比重やアルコール分などの基本的な項目から、ホップ由来の香気成分など、全部で25項目にも及ぶものです。
各項目についてキリンホールディングス研究所の担当者より詳細な説明がありました。分析項目は以下の通りです。

基本分析

  • 比重
  • オリジナルエキス
  • アルコール(重量パーセント)
  • アルコール(体積パーセント)
  • 真正エキス
  • 真正発酵度
  • 外観エキス
  • 外観発酵度
  • 外観最終発酵度
  • 残存発酵度
  • pH
  • 色度
  • 苦味価

発酵由来香気成分

  • 酢酸エチル
  • 酢酸イソアミル
  • アセトアルデヒド
  • トータルダイアセチル

ホップ香気成分

  • リナロール
  • βユーデスモール
  • ミルセン
  • ゲラニオール
  • βシトロネロール
  • ネロール
  • ヘキサノール
  • ヘキセノール

今回特に注目されたのが、ホップ香気成分の中の「ヘキサノール」と「ヘキセノール」です。どちらもフレッシュホップの特徴香で、「芝を刈った時の香り」と言われています。この値によってフレッシュホップの特徴が各ビールにどのくらい付与されているかがわかりす。

ただし、この値が高いビールが必ずしも全体的に評価の高いビールだったわけではなく、その点は後の議論につながりました。

ビールごとのディスカッション

休憩を挟んで後半では、各社のフレッシュホップビールのサンプルについて、1種あたり10分程度の意見交換が行われました。まず、それぞれのビールをテイスティングした感想についてお互いに述べ合った後に、各参加者より、自社での取り組みについての発表がありました。

例えば、フレッシュホップの投入量はペレットホップの場合と比較してどの程度増やしているか、フレッシュホップを醸造工程のどのタイミングで添加しているかなど、各参加者は忌憚なく発表していました。

ポイントとなったのは、それぞれのビアスタイルにフレッシュホップの特徴が効果的に表れているかという点でした。フレッシュホップ特有の青々とした香りは人によって好みも分かれる部分とした上で、ベースとなるビアスタイルとのマッチングや、他の成分とのバランスなど、先ほどの数値分析の結果も参考にしながら議論が行われていました。

各参加者の感想

今回の官能評価会について、各参加者からは以下のような感想がありました。

  • 普段は見られないような数値分析結果が非常に参考になった。
  • 数値分析結果が自分の狙った所と差があったので、今後の改善に生かしたい。
  • このような場が以前からほしいと思っていた。非常に勉強になる。
  • フレッシュホップらしさとは何か、他社のビールも飲んでみて体感できた。

また、フレッシュホップビールを造る意義については、以下のような意見が聞けました。

  • 日本産ホップに脚光を当てる祝祭的なイベントとして盛り上げたい。
  • アメリカ産ホップの派手なキャラクターとは違った、日本産ホップの繊細な部分が再発見されることを期待している。
  • 旬を楽しむという日本の食文化にあわせて、旬のビールを飲もうという流れにしたい。
  • 地元のホップを使っており、日本の農業への一助になればいいと考えている。
  • ビールの評価がホップを生産している農家さんの評価にもなるので、プレッシャーもあるが今後も頑張りたい。

日本産ホップ推進委員会への賛同登録のお願い

3年ぶりのリアルイベントが開催された2022年のフレッシュホップフェスト。2回目の官能評価会も開催できたことで、各社のビール造りの参考になったのではないでしょうか。

日本産ホップ推進委員会が行っている日本産ホップ推進の活動に賛同していただければ、各社の情報ページを掲載するだけでなく、今回のような官能評価会などにも参加することができます。

下記リンクから、ぜひ日本産ホップ推進委員会への賛同登録(無料)をお願いいたします。

ビアジャーナリスト

1972年、東京都出身。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。
外食チェーン企業に15年間勤務の後、独立。串揚げとクラフトビールの店を7年間経営。今までの経験を活かし、飲食店の経営に関する記事を得意とする。
好きなビールはスタウト。趣味は乗り鉄。