
2025年日本産ホップビールの分析官能評価会開催!ブルワーの皆さまから届いた感想とは?
5年目を迎えた分析官能評価会

2025年の日本産ホップ推進活動も大詰めを迎えた11月28日(金)、2025年日本産ホップビールの分析官能評価会が開催されました。この分析官能評価会は2021年から開催されており、今年で5年目となります。今回は下記の11ブルワリーがスプリングバレーブルワリー東京に集まりました(括弧内は分析した日本産ホップビール)。
- 常陸野ネストビール(FRESH HOPS 2025)
- ロコビア(息吹の生)
- オラホビール(フレッシュホップインベーダー)
- 湘南ビール(Harvest Hop 2025 ~ジャーマンエール~)
- 南横浜ビール研究所(遠野産IBUKI生ホップIPA)
- 和歌山ブルワリー(フレッシュホップale)
- ベアレン醸造所(フレッシュホップラガー)
- いわて蔵ビール(とれたてホップいわて蔵ビール)
- SANDi BREWERY(カワマエール -アメリカンペールエール-)
- Yellow Monkey Brewing(Fresh Hop Dandyism Stout)
- スプリングバレーブルワリー東京(フレッシュホップ最優秀圃場IBUKI)
この官能評価会では、各ブルワリーが醸造した日本産ホップビールをテイスティングしあい、ディスカッションを行います。なお、官能評価会に先立って、参加各社の日本産ホップビールはキリンビールの協力のもと化学分析をしています。その分析結果をもとにディスカッションを行い、醸造に関する疑問や課題の解決を図ることが、この分析官能評価会の目的です。
今回は、スプリングバレーブルワリー マスターブリュワーの田山智広さんと、 スプリングバレーブルワリー東京ヘッドブリュワーの東橋鴻介さん、日本産ホップ推進委員会の藤原ヒロユキも加わり、約4時間にわたって分析値の比較や官能評価、そしてディスカッションが行われました。
日本産ホップビールの分析項目
官能評価会に先立つ化学分析では、下記の項目についてビールを分析しています。官能評価会では、この項目の分析結果と官能評価に基づいてディスカッションを行いました。
基本分析(エキス・アルコール)
- 比重
- オリジナルエキス
- アルコール(ABW)
- アルコール(ABV)
- 真正エキス
- 真正発酵度
- 外観エキス
- 外観発酵度
- 外観最終発酵度
- 残存発酵度
その他の基本分析
- pH
- 色度
- 苦味価
発酵由来香気成分
- 酢酸エチル
- 酢酸イソアミル
- アセトアルデヒド
- トータルダイアセチル
ホップ香気成分
- リナロール
- βユーデスモール
- ミルセン
- ゲラニオール
- βシトロネロール
- ネロール
- ヘキサノール
- ヘキセノール
この分析官能評価会も5年目を迎えて、複数回参加されているブルワーさんも多く、議論も深いものになってきたように感じました。使用したホップの種類や量、投入のタイミング、ビアスタイルとの関係など、様々な意見が飛び交い、活発な議論が交わされました。
参加ブルワーの声
自社のビールについて他社から意見をもらったり、また他社のビールを客観的に評価したり、各ブルワーさんにとって非常に有意義な会だったと思います。時折、厳しい意見が出る場面もありましたが、それも日本産ホップビールの品質向上を目指すという、共通の目的を持っているブルワー同士の正直な発言として、皆さん前向きに受け止めていたようでした。
最後にブルワーの方々からの感想をご紹介させて頂きます。
ロコビア 鍵谷百代さん
当社は今年もレシピを変えず10バッチ目を造ったが、他社の様々な取り組みを聞くことができて勉強になった。毎年ちゃんと同じ味に仕上がるのは、ホップ(IBUKI)の品質のおかげだと感じている。
初めての参加だったが、分析値が細かく出ていたのが有難かった。国産ホップの使い方についても、経験の多い方々の意見を聞けたのが良かった。今回はスタウトにフレッシュホップを使ったが、特に参考にしたスタイルは無く、ジャパニーズスタウトという意識で造った。もっとフレッシュホップ感を出したかったが、思ったほど感じられなかったので、機会があればまた挑戦したい。
常陸野ネストビール 長塚寿生さん
当社では年に何度かフレッシュホップビールを造っているが、普段は社内でしか行っていないテイスティングを、この場に来て答え合わせをしている感じで、非常に貴重なイベントだと思う。ドリンカビリティを重視してセッションIPAを毎年造っているが、お客様にも認知されていて、毎年楽しみにしてくださっている方もいる。
和歌山ブルワリー 吉田友之さん
ホップの使い方はもちろんだが、フレッシュホップビールはどうあるべきかという点について、非常に勉強になる。2年ぶりの参加だが、レベルが非常に上がっていて驚いた。来年の目標は、美味しいと思えるビールにフレッシュさを兼ね備えたビールを造ること。
湘南ビール 屋地洋樹さん
初めての参加で緊張したが、日本産ホップについての知見や、日ごろの醸造の問題点や改善点について、とても熱い話を聞くことができた。今年も使った与謝野ホップは年々品質の向上を感じているので、ぜひ今後も使い続けたい。フレッシュホップの青々しさを感じつつ、ドリンカブルで美味しいビールを目指している。
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2025年もクラフトビアジャパンホップフェストや分析官能評価会にも多くのブルワリーが参加されました。ビールファンに日本産ホップの魅力を伝えるということだけでなく、各ブルワリーの醸造技術向上にも寄与したのではないかと思います。
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