宮城県北東部にある石巻市では、2017年からホップの栽培が始まっています。
圃場を管理しているのは、精神保健福祉士の資格を持つ高橋由佳さんが代表を務める「一般社団法人イシノマキ・ファーム」。
「農を通して地域、社会、そして自然とつながる」をコンセプトに、多くの地域住民を巻き込み、人びとが地域で循環できる仕組みとしてホップや野菜を育てています。
一般社団法人イシノマキ・ファームとは
イシノマキ・ファームがあるのは、宮城県石巻市北上町。2011年の東日本大震災では大きな被害を受けた地域です。
現在、2カ所の圃場でホップの栽培が行われています。
【古戸沢(ふるとざわ)ホップファーム】
テレビ朝日の番組『人生の楽園』でも取りあげられた、自然豊かなホップファーム。
大きな石が沢山転がり畑には向かない土地であったが、開墾から支柱立てまで、全て自分たちの手で行った。【白浜ホップファーム】
ビールをお供えするという全国的にも珍しい鹿嶋神社、通称「ビール神社」に近い立地にある。神社にあやかり、ホップを植えることになった。
収穫されたホップは酸化を防ぐため、2時間以内に真空パックされ冷凍保存。
「いわて蔵ビール」で知られる世嬉の一酒造に運ばれ、オリジナルビール「巻風エール」を醸造しています。
また、2020年には東北6県のホップを使用した「ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA」にカスケードホップを提供するなど、各所で石巻産ホップが使用されています。
ビールやシノマキホップのロゴグッズはWEBサイトからも購入可能です。
さらに2019年から、“ホップを楽しむ製品ラインナップの拡大”と、“イシノマキホップのブランド化”を目指し、ホップ塩などビール以外の製品開発に取り組んでいます。
2020年に「Ishinomaki Home Base(石巻ホームベース)」が完成。
クラフトビールが飲めるカフェ「I-HOP CAFE」を併設し、宿泊やイベントも可能な新しい基地として活用されています。
農業と福祉が連携したホップ栽培
イシノマキ・ファームは、国産ホップ栽培への新しい取り組みに、ソーシャルファーム(農福連携)というコンセプトを取り入れ、農業を通して地域や社会と繋がり、社会的に弱い人もそうでない人も対等に過ごせる場所づくりを目指しています。
そのひとつが、農業体験や勉強会を通しての就労支援。
地域にある耕作放棄地を借りて、野菜の栽培、ホップ栽培体験のイベントを実施したり、古民家を改修したVillage AOYAという宿を運営しファームステイを希望する人たちの拠点づくりをしたり。
イシノマキ・ファームは、東日本大震災で大きく被災した石巻で新しい産業を育成するとともに、人材やコミュニティも育てています。
☆写真はイシノマキ・ファーム様よりご提供いただきました
住所 | 宮城県石巻市北上町女川字泉沢13番地 google map |
---|---|
Webサイト | https://www.ishinomaki-farm.com/ |
関連記事
- 東松島の大麦と石巻のフレッシュホップを使用!地産地消の穀町ビール(2020.9.27)
- イシノマキ・ファームは農福連携で4年目のホップ栽培(2020.5.14)
- ~ホップそよ風通信~【イシノマキ・ファームでホップ収穫体験】8月11日は畑でキャンプはいかが?(2019.8.6)
- 7月11日開催!「地域と目指すクラフトビールを通じた地域活性化への挑戦 – 国産ホップの生産を核とする循環型社会の創造 -」(2019.7.4)
- 「イシノマキホップの収穫体験&ランチビュッフェ」7月28日開催!(2019.6.25)
- ~ホップそよ風通信~【宮城県・石巻市 6月】(2019.6.9)
- ホップ栽培体験で大地のパワーをいただきます【イシノマキ・ファーム】(2019.4.22)