2023年日本産ホップビール官能評価会開催!
醸造技術向上のための分析&ディスカッション
フレッシュホップフェストを引き継いだクラフトビアジャパンホップフェスト2023が10月末で終了。2023年11月6日(月)には、ブルワリー7社とスプリングバレーブルワリーのマスターブリュワーである田山智広さんがスプリングバレーブルワリー東京に集まり、日本産フレッシュホップビール官能評価会が開催されました。2023年は3回開催され、今回は2回目の開催。
第2回分析官能評価会に参加したのは下記の7社です(括弧内は分析した日本産ホップビール)。
- ヤッホーブルーイング(軽井沢ビール クラフトザウルス フレッシュホップエール)
- ロコビア(息吹の生)
- 那須高原ビール(初恋エール)
- T.Y.HARBOR BREWERY(New与謝野エール)
- BRIGHT BLUE BREWING(おれっちのフレッシュホップビール2023)
- ベアレン醸造所(ベアレン フレッシュホップラガー)
- スプリングバレーブルワリー(フレッシュホップ〜最優秀圃場IBUKI〜)
官能評価会とは、各ブルワリーが醸造したフレッシュホップビールをテイスティングしあいながら、ディスカッションを行うものです。官能評価会に先立って、参加各社のフレッシュホップビールをキリンビール仙台工場で化学分析しています。その分析結果をもとにディスカッションを行い、醸造に関する疑問や課題の解決を図ることが、今回の官能評価会の目的です。
今回は約2時間にわたって官能評価会が行われました。
フレッシュホップビールの分析項目
今回は、フレッシュホップビールについて下記の項目で化学分析しています。全員に各ビールの分析結果が記載されたシートが配られ、それをもとにスプリングバレーブルワリーの辻さんが解説していきました。
基本分析(エキス・アルコール)
- 比重
- オリジナルエキス
- アルコール(ABW)
- アルコール(ABV)
- 真正エキス
- 真正発酵度
- 外観エキス
- 外観発酵度
- 外観最終発酵度
- 残存発酵度
その他の基本分析
- pH
- 色度
- 苦味価
発酵由来香気成分
- 酢酸エチル
- 酢酸イソアミル
- アセトアルデヒド
- トータルダイアセチル
ホップ香気成分
- リナロール
- βユーデスモール
- ミルセン
- ゲラニオール
- βシトロネロール
- ネロール
- ヘキサノール
- ヘキセノール
一部の項目の説明については、2022年の官能評価会の記事をご覧ください。
フレッシュホップビール官能評価会開催!分析結果からわかることとは
官能評価会では、まずブラインドですべてのビールをテイスティングし、参加者それぞれが高く評価したビールを2種発表しました。一部評価は分かれましたが、高く評価されたビールは概ね一致。その後、すべてのビールについてそれぞれが感想を発表していき、ビールを造ったブルワーに醸造方法などを確認して、なぜそのような味わいになったのかをディスカッションしていきました。
ここではどのビールがどのように評価されたかは公開しませんが、それぞれのビールに対して忌憚のない意見が飛び交いました。それぞれの醸造方法をよりブラッシュアップさせるために、有意義な時間になったのではないでしょうか。
また、ホップの香気成分やフレッシュホップに特徴的な香気成分、ホップの添加タイミングによる分析値の例などについて、スプリングバレーブルワリーの辻さんが解説。扱いの難しいフレッシュホップについて、理解が深まったのではないかと思います。
官能評価会などに参加するには日本産ホップ推進委員会の賛同登録を
2023年は、フレッシュホップフェストがクラフトビアジャパンホップフェストとして開催されました。官能評価会にも多くのブルワリーが参加され、各ブルワリーの醸造技術向上の参考になったのではないでしょうか。
日本産ホップ推進委員会が行っている日本産ホップ推進の活動に賛同していただければ、各社の情報ページを掲載するだけでなく、今回のような官能評価会などにも参加することができます。
下記リンクから、ぜひ日本産ホップ推進委員会への賛同登録(無料)をお願いいたします。
- 第1回分析官能評価会参加ブルワリー(2023/10/6)
26Kブルワリー
オラホビール
湘南ビール(熊澤酒造)
常陸野ネストビール(木内酒造1823)
Far Yeast Brewing - 第3回分析官能評価会参加ブルワリー(2023/11/27)
ISHINOMAKI HOP WORKS
JouZo BEER BASE
遠野麦酒ZUMONA
南横浜ビール研究所
和歌山ブルワリー