藤原ヒロユキのホップ栽培日記 in 与謝野町 道具編
その③「紐張りに必要な道具」
最近、ホップを栽培してみたい。という人が増えてきています。
私の住む京都府与謝野町にも視察の方が各地からお越しになられます。
そんな方々を含め、ホップ栽培を始めようという人に参考にしていただきたいという願いから、去年2023年は「藤原ヒロユキのホップ栽培日記 in 与謝野町」という連載コラムを書きました。
その連載コラムに引き続き、今年2024年は、「どのような道具が必要なのか? どのような服装が適切なのか?」というテーマで解説していきたいと思います。
今回は【紐張り】に必要な道具を紹介したいと思います。
ホップが巻きつく紐を張る。
ホップは多年生のツル性植物です。
毎年ツルを伸ばし、5〜6mの高さに伸びます。
品種によっては、8〜10mに達するものもあります。
昨年2023年の4月1日の「藤原ヒロユキのホップ栽培日記 in 与謝野町:ホップ畑を作ろう」でも書きましたが、ツルが巻きつくために棚から紐を垂らす必要があります。
棚から紐を垂らす作業を、私は【紐張り】と呼んでいます。
産地によっては【紐下げ】【なわ下げ】【糸つけ】などとも呼んでいると聞きます。
ホップの紐の素材は?
ホップの巻きつく紐は、どのような素材でできているのでしょうか?
これにはいくつかのパターンがあります。
古い文献によると、針金を使っている記録があり、この場合は紐(針金)は切らずに数年間は使うとのことです。
与謝野でも紐は切らずに収穫しますが、針金は使わずポリプロピレン製の紐を使い、毎年張り替えています。
実は、過去に一度、紐を張り替えなかった年があるのですが、翌年かなりの紐が弛んでしまい、何本かは切れてしまいました。
ですから、収穫時にツルは切らないものの収穫が終わったらツルの絡まった紐を切り、ツルと紐を分けてそれぞれ処理します。
参考までですが、 与謝野ではサンラインという誘引紐を使っています。
キュウリやトマトの誘引紐としても使われているので、与謝野で入手しやすいという事情もあります。これでなければいけないということではないので、お好みでお選びください。
ポリプロピレンは可燃性で完全燃焼すると二酸化炭素と水になりますので、基本的には可燃ゴミです。また、資源として再利用もできる素材です。
とは言え、回収方法は市町村によって異なるので処理の仕方は確認し、ルールに従う必要があります。
与謝野では、まずツルと紐を分け、ツルは圃場から離れた場所に積み(土に還るのを待ち)、紐は町の処理施設に持っていきます。
なお、ツルや葉を紐ごと燃やしたり土に埋める地域では、麻紐や自然分解する紐を使っている場合もあります。
ホップの紐の長さは?
紐の長さは棚の高さのプラス1〜1.5mくらいです。
私の場合、棚の高さは5.5mですから7mです。
1本ごとに紐の長さを計っていると面倒なので、2本の杭を3.5mの距離に打ち、その間を往復させて最後に片側を切ります。
紐の結び方は?
紐は、上を結んでから下を結びます。
1本ずつ上下を結んでいっても問題ないですが、効率を考えるとまず上ばかりを結びきってから下を結んでいくことをお勧めします。
上を結ぶ時は昇降機(高所作業車)か脚立で棚の上側まで上がる必要があります。
私の場合、昇降機に乗る際はヘルメットとハーネスを着用します。
結び方に決まりはないですが、引っ張ると輪が締まっていく「引き解け結び」が便利です。
引き解け結びの最後をもう一度引き解け結びにしておくと、解く時さらに便利です。
参考までに、私の結び方を動画で撮影しました。(手元がわかるように、撮影時は手袋を脱いでいます)
上側の結び方です。*撮影しやすい(見やすい)ように、棚とは違う横棒に結んでいます。
下の結び方です。
手袋は指先のカット
農作業中に素手でいるのは、なにかと危険です。
ちょっとしたトゲが刺さるだけで痛いですし、ハサミや鎌などの刃物を使う時は絶対に手袋を着用しましょう。
しかし、紐を結ぶときに手袋をしていると結びにくい時があります。
そんな時は、親指と人差し指の先が無い手袋が便利です。
市販の物もありますが、自分の好みの長さにカットするのも良いでしょう。
では、また!
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