フレッシュホップフェスト2016

Fresh Hop Fest News

  • 国産ホップのスター品種を――スプリングバレーブルワリー田山智広さんに聞く
  • ビールは香りの文化があってこそ――キリンビール村上敦司さんに聞く

2016.10.10ニュース

第1回フレッシュホップフェスト初日レポート

2016年10月8日(土)、記念すべき第1回フレッシュホップフェストが開幕しました。東京での開催は8日(土)から10(月・祝)の3日間。記念すべき第1回初日の様子をレポートします。

あいにくの雨の中ですが、大勢のビール好き、ホップ好きが代官山のスプリングバレーブルワリー東京に集まりました。開場は11時。午前中から国産ホップを楽しむ人の笑顔があちこちに。

12時からはオープニングセレモニー。まずは日本ビアジャーナリスト協会代表の藤原ヒロユキ氏が挨拶。

この日は「ホップキング」と呼ばれた藤原ヒロユキ氏

この日は「ホップキング」と呼ばれた藤原ヒロユキ氏

盛り上がってきたところでみんなで乾杯です。

記念すべき第1回フレッシュホップフェスト最初の乾杯!

記念すべき第1回フレッシュホップフェスト最初の乾杯!

スプリングバレーブルワリー東京で飲めるビールは?

ビールのラインナップは17種類。タップの上部にビールの銘柄がずらりと並びます。ビアリストはこちらから。

17種類のタップが並ぶ。実は裏メニュー? でスプリングバレーブルワリーの定番「496」も出ていた

17種類のタップが並ぶ。実は裏メニュー? でスプリングバレーブルワリーの定番「496」も出ていた

では、早速ビールを飲んでみましょう。まずは、スプリングバレーブルワリーの「Hop Fest Ale 2016」から。こちらは江刺のホップを使用したエールで、同様にラガー(Hop Fest Lager 2016)も出ていました。

Hop Fest Ale 2016

Hop Fest Ale 2016

カップに鼻を近づけただけで、ふわっと漂うホップの香り。シトラス感もありますが、ホップの青々とした香りがより強く感じられます。まさにフレッシュホップ。飲んでみると、さらにホップのフレーバーが口の中に広がります。苦味もしっかり付いていて、ホップの魅力を存分に味わえる1杯です。

そして次に飲んでみたのは同じくスプリングバレーブルワリーの「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」。

MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016

MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016

「MURAKAMI」という名前からもわかるように、これは「ホップ博士」村上敦司氏(キリン株式会社 酒類技術研究所 主幹研究員)が育種したホップを、摘みたてでそのまま使用したビール。バリバリの柑橘系というよりも、マスカットなどの上品な香りが漂います。ビール自体もクリアな味わいで、苦味も抑えめ。1杯目にぴったりです。

どんどんいきましょう。次はヤッホーブルーイングの「軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て」です。

軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て

軽井沢高原ビール ワイルドフォレストフレッシュホップ ver 無濾過仕立て

こちらは軽井沢周辺でしか飲めない「ワイルドフォレスト」というビールに、地場産ホップを使ったバージョン。これは軽井沢でも飲めないフレッシュホップフェスト限定のビールです。無濾過ですが味わいはクリア。これもホップの青さがしっかり出ています。

もうひとつご紹介しましょう。箕面ビールの「YOSANO PALE ALE」です。

YOSANO PALE ALE

YOSANO PALE ALE

「YOSANO」と名付けられている通り、藤原ヒロユキ氏が中心となって京都府与謝野町で育てているホップを使用したもの。与謝野町では30種類ほどのホップを育てていて、このビールで使用しているのはカスケード。カスケードといえばこちらでも説明した通り、シトラスアロマが特徴的なホップ。もちろんシトラス感もありますが、マンゴーやメロンなどカスケードの印象が変わるような香りがありました。

ほかにもたくさん飲んだのですが、ひとまず紹介はこれくらいにしたいと思います。あとはご自身で確かめてください。

ビールに合わせるフードも充実!

もちろんビールにぴったりな料理もありますので、ご紹介しましょう。

チケット1枚(300円)から購入できるフードがずらり

チケット1枚(300円)から購入できるフードがずらり

フレッシュホップフェストはホップのお祭りですが、テーマは「収穫祭」。ピクルスやバーニャカウダのようなとれたての野菜を使ったから、同じく今年とれたての小麦を使ったパン、パルメザンチーズ、プロシュートまで。

パルメザンチーズとプロシュート

パルメザンチーズとプロシュート

プロシュート

プロシュート

ソーセージ

ソーセージ

そして、面白かったのが「キャラメル“HOP”コーン」。

キャラメル“HOP”コーン

キャラメル“HOP”コーン

キャラメル味のホップコーンにホップの粉末をふりかけます。ホップの青いフレーバーが加わった面白い味わいです。

こんな人たちも参加!

第1回の初日ということで、こんな人たちも参加していました。まずは、スプリングバレーブルワリーのマスターブリュワーである田山智広氏。

田山智広氏(右)と藤原ヒロユキ氏

田山智広氏(右)と藤原ヒロユキ氏

いわて蔵ビール工場長の佐藤孝紀氏も挨拶。

いわて蔵ビール工場長の佐藤孝紀

いわて蔵ビール工場長の佐藤孝紀氏

さらには、アウトサイダーブルーイングのマスターブルワーである丹羽智氏も。

アウトサイダーブルーイングのマスターブルワー丹羽智氏

アウトサイダーブルーイングのマスターブルワー丹羽智氏

もちろん、いわて蔵ビール「エクストラスペシャルビター IBUKI」とアウトサイダーブルーイング「朝露フレッシュエール」も提供されています。

インフューザーを使った超限定ビールも!

と、ビールを飲みながら話を聞いたり料理を食べたりしていると、インフューザーを使った限定ビールの提供時間になりました。インフューザーとは、ホップやフルーツなどにビールを通してそのフレーバーをビールに付けることができる装置。初日には、オーストラリア産のホップ「ギャラクシー」を入れたインフューザーに、スプリングバレーブルワリーのフラッグシップである「496」を通したビールが時間・数量限定で提供されました。初日には3回提供され、各回で20杯ほどの超限定です。

まずは、インフューザーにホップを投入します。

インフューザーにホップ投入

インフューザーにホップ投入。スマホで撮影する人たちが大勢集まってきました

そして、スイッチを入れると下部からビールが出てきます。

スイッチを入れるとビールが湧き出る(右)

スイッチを入れるとビールが湧き出る(右)

ビールが注がれたら、上からプレスしてホップをビールの中で泳がせます。こうすることでホップのフレーバーがビールに移るのです。

プレスは5回ほど

プレスは5回ほど

これでできあがりです。先ほど、裏メニューで「496」も出ていたと書きましたが、つまりこのホップ増しバージョンの「496」と飲み比べができるということです。こんな感じです。

通常の「496」(左)とギャラクシー増しバージョンの「496」

通常の「496」(左)とギャラクシー増しバージョンの「496」

写真では少々わかりにくいですが、通常の「496」に比べて、右のホップ増しバージョンのほうがやや濁りがあります。実際に飲んでみると…違います。ホップ増しバージョンのほうがより華やかなアロマが漂っていて、飲んでみるとその違いがよりはっきりします。鼻から抜けるフレーバーが段違い。しっかりと香りが付いています。

 

といった感じで、盛りだくさんの第1回フレッシュホップフェスト初日でした。本日(10月10日)も代官山のスプリングバレーブルワリー東京で、第1回フレッシュホップフェスト開催します。時間は11:00〜20:00です。お時間のある方はぜひスプリングバレーブルワリーへどうぞ。

残念ながら時間がないという方は、
10月15日(土)11:30〜23:00 大阪・CRAFT BEER BASE BUD
10月16日(日)15:00〜22:00 大阪・dig beer baR
10月22日(土)12:00〜21:00 横浜・YCCヨコハマ創造都市センター
10月23日(日)11:00〜20:00 横浜・YCCヨコハマ創造都市センター
でも開催しますので、ぜひご参加ください。

フレッシュな国産ホップを使ったビールが飲めるのはここだけです。そのフレッシュさをぜひ味わってください。乾杯!

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ビアジャーナリスト・ビアライター

富江弘幸

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国に留学し、四川大学海外教育学院修了。帰国後は新聞社で書籍等の編集者に。現在はビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:『ビール王国』(ワイン王国)、『厳選世界のビール手帖』(世界文化社)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のクラフトビールが飲める120店』(エンターブレイン)など

Twitter:hiroyukitomie