フレッシュホップフェスト2016

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2016.8.26ホップとは?

【ホップ概論 第4回】ビタリングホップとアロマホップ

前回は、ホップの使用目的によってホップ投入のタイミングが異なる、ということをお伝えしました。その投入のタイミングで苦味付けか香り付けかに分かれるのですが、ホップの銘柄自体も苦味付けか香り付けかで分けることができます。

苦味付けを目的とするホップをビタリングホップ、香り付けを目的とするホップをアロマホップと言います。主に、ビタリングホップは煮沸時に投入し、アロマホップは煮沸の最後もしくはドライホッピングなどで使われます。

α酸の含有量が多いホップが苦味付けに適している

とはいえ、ビタリングホップを香り付けに使えないわけでもありませんし、アロマホップを苦味付けに使えないということでもありません。

両者の大きな違いは、α酸の含有量です。

前回お伝えした通り、α酸の一種であるフムロンが熱によってイソフムロンとなり、苦味のもとになります。この含有量が多いホップがビタリングホップに分類されるもので、苦味付けに適しているホップなのです。

アロマホップはα酸が比較的少ないのですが、もちろん苦味付けにも使うことができます。ただ、α酸の含有量が少ないということは、同じ苦味を出すには多くの量のホップが必要になるということ。苦味を出すためには、ビタリングホップを使ったほうが効率的なのです。

代表的なホップの銘柄

ホップの銘柄とその特徴については、また別の回でご紹介しますが、ビタリングホップとアロマホップの代表的な銘柄を挙げてみましょう。

ビタリングホップの代表的なものは「ノーザンブルワー」や「マグナム」などでしょうか。ノーザンブルワーはクリーンな苦味が特徴的で、アロマホップとして使われることもあります。マグナムもピルスナーによく使われるビタリングホップです。

アロマホップの銘柄でよく目にするのは「ザーツ」でしょうか。チェコの伝統的なアロマホップです。アロマホップの中でも特に素晴らしい香りを持つザーツは、ノーブルホップとも言われます。

また、「カスケード」も代表的なアロマホップといえるでしょう。アメリカンIPAなどに使われることが多く、柑橘系のアロマが特徴です。現在の「クラフトビール」を語る上では外せないホップといっても過言ではありません。

ホップにカスケードを使用しているリバティーエール(アンカーブルーイング)

ホップにカスケードを使用しているリバティーエール(アンカーブルーイング)

ちなみに、ビールの苦味を計る数値にIBU(国際苦味単位、International Bitterness Units)という単位があります。これはホップのα酸をもとに計算されるのですが、それについてはまた次回に。

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ビアジャーナリスト・ビアライター

富江弘幸

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国に留学し、四川大学海外教育学院修了。帰国後は新聞社で書籍等の編集者に。現在はビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:『ビール王国』(ワイン王国)、『厳選世界のビール手帖』(世界文化社)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のクラフトビールが飲める120店』(エンターブレイン)など

Twitter:hiroyukitomie