2016.8.29|ホップとは?
【ホップ概論 第5回】IBUって何?
これまでの記事で、ホップとは何かということに加え、α酸が苦味のもとであるという話もしてきました。他の条件が同じであれば、一般的には麦汁に投入するホップのα酸数値が高いほど苦味は強くなります。
そのα酸の数値などをもとに、ビール自体の苦味を計ることができます。その単位がIBU(国際苦味単位、International Bitterness Units)。計算式はやや複雑なので省きますが、ものすごく簡単に言うと、麦汁の中にどれくらいイソα酸(熱せられて異性化したα酸)が入っているかを計算するものです。この数値が大きければ大きいほど、苦味が強いということになります。
といっても、IBUが高ければ苦く感じるというわけではありません。味の感じ方は苦味以外の要素にも左右されるので、IBUが高くても苦味を強く感じないビールもあります。
例えば、一般的に飲まれているピルスナーのIBUは20前後と言われています。IBU50のIPAは、ピルスナーより強く苦味を感じますが、IBU100近くにもなるバーレイワインはIPAほど苦味を強く感じません。これはバーレイワインが持つ甘味や風味などの要素によるところが大きいからです。
以下、IBUが公表されているビールをいくつか選んで順に並べてみました。
IBU 銘柄(醸造所)
96 オールド・ナムスカル(エールスミス)
90 スルガベイ インペリアル IPA(ベアード・ブルーイング)
62 インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)
45 496(スプリングバレーブルワリー)
35 パンクIPA(ブリュードッグ)
34 ライジングサン ペールエール(ベアード・ブルーイング)
20 常陸野ネストラガー(常陸野ネストビール)
15 JAZZBERRY(スプリングバレーブルワリー)
13 ホワイトエール(常陸野ネストビール)
11 水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)
あくまでも目安ですが、ビールを選ぶ上でのひとつの指標にはなるかもしれません。これ以外にも、中には100を超えるどころか1000にもなるビールもあります。
これまでホップの概要についてお伝えしてきましたが、次回からはホップの品種にフォーカスしてみたいと思います。