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コラム

モザイクとはどんなホップ?歴史や特徴、おすすめのビールを紹介

モザイクは、さまざまなビアスタイルに使用されていますが、どのような特徴があるホップなのでしょうか?モザイクを使用したビールを飲んだことがあっても、どのようなホップなのか表現するのは難しいと感じるかもしれません。

この記事では、モザイクの歴史や特徴、また国内で入手可能なモザイクを使用したおすすめのビールを紹介しています。モザイクの特徴を理解したうえでビールを味わうとまた新しい発見があるかもしれません!

モザイクとは?

モザイクは、アメリカ産のシムコーとナゲットという品種のホップをかけ合わせたアメリカ原産のアロマホップ品種です。アメリカ合衆国ワシントン州ヤキマに拠点を持つホップ・ブリーディング・カンパニー(HBC)から2012年にリリースされました。

HBCは、2003年にヤキマ・チーフ・ランチズ(YCR)ジョン・I・ハース社が合弁で新たに設立した会社です。HBCを設立する前は、それぞれの会社でホップの育種・開発を行っていました。HBCの設立後は、両社が協力することでお互いの強みを活かし害虫や病気に耐性のあるホップ品種の開発に力を入れるようになりました。

では、なぜモザイクが開発されたのでしょうか?それは、シムコーと同様の芳香成分を持ち、より収量の多いホップ品種が求められていたからです。そして、2001年から育種の開発が始まりました。

モザイクの開発を担当したのは、YCRのCEO兼ヘッドホップブリーダーのジェイソン・ペロー氏です。ペロー氏は、これまでにさまざまなホップをかけ合わせ、10年がかりでいくつもの優れたホップ品種を育て上げてきました。

代表的なホップを例に挙げると、シトラやシムコー、エクアノットなど。モザイクは、HBCの中でもシトラの次に人気のアロマホップです。

モザイクの特徴は?

モザイクは、ベリーやシトラス、桃、マンゴーといったアロマの特徴があります。また、トロピカルフルーツやシトラス、ベリー系のような強い風味をつけることができるため、ビールに苦味、風味、香味を自由自在に与えることができる万能なホップであると言われています。

その特徴を活かして、モザイクのみを使用したシングルホップのビールや、他のホップとブレンドしたビールなど、さまざまなビールで使用されています。

アメリカ国内での栽培地は、ワシントン州のヤキマバレーやオレゴン州のウィラメットバレー、アイダホ州のトレジャーバレーなどが有名です。

モザイクを使用したビールを紹介

モザイクのみを使用したシングルホップビールでは主役を演じ、他のホップとブレンドした際は脇役も演じるモザイク。ここからは、さまざまな特徴を持つモザイクを使用しているビールを紹介します。

Hoya Boya

最初に紹介するのは、ブラックタイドブリューイングのHoya Boya(ホヤぼーや)です。

ブラックタイドブリューイングは、2020年に宮城県気仙沼市で醸造を開始。「クラフトビールによるコミュニティづくり」をキーワードに東日本大震災で被害を受けた気仙沼市の復旧・復興を支援しています。

Hoya Boyaは、モザイクのシングルホップで醸造したヘイジーIPAです。トロピカルフルーツを連想させるフルーティーな味わいが存分に楽しめます。気仙沼市観光キャラクターの「海の子ホヤぼーや」がデザインされたラベルが目をひきます。

モザイクのみを使用したブラックタイドブリューイングのHoya Boyaの缶とグラスに入れたビール

モザイクのみを使用したブラックタイドブリューイングのHoya Boya

Hoya Boya
アルコール度数:
7%
公式サイト:https://blacktidebrewing.com/beers/

インドの青鬼

次に紹介するのは、ヤッホーブルーイングのインドの青鬼です。ヤッホーブルーイングは、1997年に長野県軽井沢町で創業しました。よなよなエールや水曜日のネコなど、オリジナリティの高いネーミングで有名です。

インドの青鬼は、モザイク、マグナム、コロンブス、カスケード、シトラ、シムコーを使用したIPA。グレープフルーツのような華やかな香りと苦味の余韻が楽しめるビールです。

全国のスーパーやコンビニで購入できます。

モザイク、マグナム、コロンブス、カスケード、シトラ、シムコーを使ったヤッホーブルーイングのインドの青鬼の缶ビールとお揃いのデザインのグラス

モザイクを含む6種のホップを使用したヤッホーブルーイングのインドの青鬼

インドの青鬼
アルコール度数:7%
公式サイト:https://yonasato.com/ec/product/detail/indonoaooni/

ジューシーIPA

最後に紹介するのは、三菱食品のJ-CRAFT HOPPIN ジューシーIPAです。J-CRAFT HOPPINは、IPA専門のブランドとして、IPAを得意とする醸造家とコラボし、苦さだけではない新しいIPAを提案しています。

ジューシーIPAは、アメリカ東海岸にあるニューイングランドが発祥で、世界中で人気のビアスタイルです。モザイクとギャラクシーという品種のホップをメインに使用したトロピカルフルーツのような香りとジューシーな味わいが特徴です。

全国のスーパーやビールの専門店で購入できます。

三菱食品のJ-CRAFT HOPPIN ジューシーIPA

メインのホップとしてモザイクとギャラクシーを使用した三菱食品のJ-CRAFT HOPPIN ジューシーIPA

ジューシーIPA
アルコール度数:6%
公式サイト:https://item.rakuten.co.jp/j-craft/c/0000000116/

芸術的なアロマとフレーバーを持つモザイク

ここまで、モザイクの歴史と特徴、おすすめビールを紹介しました。

10年という長い年月を経て誕生したモザイク。開発者のモザイクにかける情熱が伝わってきます。

モザイクは、ベリー、シトラス、桃、マンゴーといった多彩な要素を持ち、シングルホップでもブレンドしても存在感を発揮できる万能なホップです。

ぜひ実際に飲んでみて、モザイクの新たな魅力を発見してみてください!

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ビアジャーナリスト

Hop Evangelist、Beer Judge、Beer Taster
ホップでビールを選ぶ時代に!を合言葉に活動中
全国各地のホップ畑にホップを摘みに行くほどのホップ好き
お気に入りのホップはシトラです♪

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