ホップ摘みの魅力とは?体験すればビールがもっと好きになる
ビールの主な原材料は、麦芽、ホップ、酵母、水。麦芽は何となく想像できますが、実物のホップを見たことがありますか?ビールの工場見学で乾燥したものを見たという人がいても、畑で見た!という人は少ないはず。
ホップはどんな形状で、どんな香りがするのか、どこで栽培し、どのように収穫するのか。これらの疑問への答えは、ホップ摘み体験に参加するとわかります。
ホップ摘み体験の醍醐味は、自分が摘んだホップを使用したビールが飲めることです。ビール好きなら誰もが憧れる、究極のMyビールに巡り合えます。全国各地のホップ畑を渡り歩いた筆者が、ホップ摘み体験の4つの魅力を紹介します!
Contents
鮮やかな緑色のホップを五感で体感
畑でホップを初めて見た時、空高くどこまでも伸びていきそうな美しいグリーンカーテンに感動を覚えました。
ホップは、アサ科のつる性植物で、1年で8mから12mほどの高さに成長します。太い根は地下3m以上にまで伸び、細い根も周囲2m近くに広がります。根の量がとても多いのが特徴です。
ホップの実は毬花(まりはな)といい、松ぼっくりのような形で、苞(ほう)と呼ばれるうろこ状の小さな葉が連なっています。
表面を指で押すと弾力があり、カサカサと音がします。中心から2つに引き裂くと、光沢のある小さな黄金色のルプリンが確認でき、ホップ特有の香りが広がります。
香りはホップの品種によって異なりますが、一番インパクトが強かったのはカスケードという品種のホップ。当時、コロナ禍であった為、マスクをしてホップ摘みを行いましたが、爽やかな柑橘系の香りが鼻腔をくすぐりました。
あまりの美しさにルプリンを舐めてみましたが、苦くてまったくおいしくなかったです。
ホップ摘み体験に参加すると、畑でホップを見て、直に触れて、嗅いで、勇気があれば噛んで味わってみることができます。本当に苦いので覚悟して挑戦してください。
生産者を知ることでビールが今まで以上に愛おしくなる
現在、ホップは北海道から九州まで全国各地で栽培が行われています。ホップ栽培は、日射量が多く冷涼な気候が適しているといわれ、世界的なホップの生産地は緯度35~55度に分布。日本では北緯40度前後の東北地方で多く栽培されています。
ホップは気温や降水量、日照時間の他、風による被害を受けやすい作物です。2021年は、梅雨の長雨と日照不足により、収穫時期が遅れた地域がありました。他の農作物と同様に、手をかけると豊かに実りますが、せっかく丁寧に育てても自然災害や天候不順で被害を受けることがあります。まさに、ホップ栽培は農業なのです。
米や野菜、畜産などの食品は、トレーサビリティが取れますよね。ビールはブルワリーの醸造家が造りますが、原材料にまで思いを馳せたことがありますか?このホップは誰が栽培しているのかを考えてビールを飲んだことがあるでしょうか。
ホップ摘み体験に参加することで、ビールを飲むときに農家さんの顔が浮かんできます。生産者の顔と名前を知ることでより身近にビールを感じることができ、ビールに対する愛情がさらに深まるのです。
共通の趣味を持つ仲間との出会い
子供の頃は、学校や習い事、地域のイベントなどでさまざまな出会いがありました。しかし大人になると新しい友人ができる機会が減ってしまうと感じたことはないですか?当たり障りのない会話で、連絡先を交換するまでには至らないということが多いように感じます。
しかし、ホップ摘みという共通の目的があれば、出会った当初は他人でも、ホップ摘みで打ち解けて、帰る頃にはビア仲間。
筆者の体験談を紹介すると、参加者と連絡先を交換し、出来上がったビールのお披露目会で乾杯し、いつの間にやら定期的に会う友人になった人が何人もいます。ホップは、素敵な縁を紡いでくれるのです。
労働の後の1杯は最高だ
ベルギー人が農作業の合間にセゾンビールを飲んでいたように、現代でも農作業の後に飲むビールは至福の1杯です。
ホップは、7月から8月にかけてが収穫の最盛期で、真夏の炎天下の作業は大変です。しかし、体を動かし、汗をかいた後に飲む1杯は筆舌に尽くし難いです。
それをビール好きの仲間たちと共に味わうことで、おいしさがさらに増します。
今年の夏はホップを摘みに畑に行こう
仕事が忙しく運動する暇がない人、コロナで交流が減ってしまい友だちを作りたい人、自分が収穫したホップで造ったビールが飲みたい人、ちょっと興味がある人など、今年の夏はぜひホップ摘みに参加して、新たなビールの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。
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