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ホップ生産者

横浜でホップ収穫!ホップの前処理に使ったあるものとは?

横浜でビールの原料であるホップが栽培されていることをご存じでしょうか?横浜市港北区にある古川原農園で栽培されており、収穫したホップは横浜ビールでフレッシュホップビールに生まれ変わります。

一般的に、ホップの収穫、畑から醸造所までの運搬、ビール釜に入れるためのホップの前処理、ビールの醸造は、それぞれの工程で時間を要するため数日かけて行います。しかし、ここでは2つの拠点の立地を活かして、収穫当日にフレッシュホップビールを醸造します。

2021年も収穫当日にフレッシュホップビールを醸造しており、2022年の改善点は、ホップの前処理でミンチ肉を作る機械のミンサーと洗濯板を利用したことです。なぜビールの醸造にミンサーと洗濯板が必要なのか?その理由を収穫体験とともに紹介します。

ホップ収穫の流れ

2022年で6年目を迎える古川原農園でのホップ収穫。参加者は、横浜ビールの従業員とビールを提供する飲食店のオーナー、ビール好きなボランティアのみなさんです。1年に1度の恒例行事となり、ほとんどが顔なじみで、和やかな雰囲気の中で行われました。

参加者がホップの収穫を行っている様子

慣れた手つきでホップの収穫を行っている参加者のみなさん

集合時間は12時。徐々に気温が上がり紫外線も強くなるため、本来は避けたい時間帯ですが、あえてこの時間に行うのには理由があります。それは、畑でのホップ収穫と同時進行で横浜ビールの醸造所でビールを造っているからです。

2022年のホップ収穫は、10人前後で約3時間かけて行いました。目標はカスケードという品種のホップを10kg収穫すること。ホップの毬花は小さくて軽く、1個あたり数グラムほどの重さであるため、なかなか目標の重量に到達しません。

ホップを収穫している様子

徐々に気温が上がる中でホップを収穫している参加者のみなさん

少人数で収穫するのは本当に大変で、時間との勝負になります。しかし、参加者は過去の経験をもとに毎年時間どおりに収穫を終えることができます。

ホップ収穫後は横浜ビールの醸造所で手もみ作業!

例年ホップを収穫後、すぐに車で横浜ビールの醸造所に運搬し、ホップの手もみ作業を行います。手もみ作業とは、ホップをちぎって指でよく揉んで、根元についているルプリンと呼ばれる黄色い樹脂のカプセルを壊すこと。

中央の黄色い小さな粒がホップのルプリン

中央の黄色い小さな粒がホップのルプリン

このひと手間を加えることでルプリンに内包する香りと苦味を効率よくビールに取り込むことができます。ホップ収穫後、これらの手もみ作業を行い、最短3時間でビール釜に摘みたてのホップを投入しています。

ホップの手もみ作業を短時間にした助っ人とは?

古川原農園では、カスケードとセンテニアルという品種のホップを栽培しています。2022年は、収穫目標の10kgを大きく上回りカスケードを14kg収穫しました。

毎年ホップの手もみ作業を行いますが、10kgのホップを10人で手もみするのにかかる時間が2時間ほど。2022年は手もみ作業に参加できる人数が半分になったため助っ人を投入することになりました。

ホップの手もみ作業を行なっている様子

ホップの手もみ作業を行なっている様子

その助っ人とは、肉の塊を圧縮してミンチ肉にする調理道具の「ミンサー」です。横浜ビールの調理場にあったものを、きれいに洗浄し利用しました。

ミンチ肉を作る機械でホップの前処理を行なっている様子

ミンチ肉を作る機械でホップの前処理を行なっている様子

正直なところ、効果については半信半疑でした。しかし、結果は手もみするより圧倒的に早く、多くの量を加工することができました。また、手もみしたホップと仕上がりを比較したところ、ミンサーで加工したホップの方が油分とルプリンの香りが強く感じられました。

ミンサーを使用して前処理をおこなったホップのかたまり

ミンサーを使用して前処理をおこなったホップのかたまり

さらに追加投入された驚きの道具とは?

ミンサーは1台しか確保できなかったため、新たな道具として洗濯板も用意されました。洗濯板とは、洗濯をするときにこすりつけて汚れを落とす波状の刻み目がある木の板のこと。

洗濯板を使用してホップの前処理を行なっている様子

洗濯板を使用してホップの前処理を行なっている様子

使い方は簡単で、ホップの実を洗濯板でこすって粉々にします。こんな板で手もみの代わりになるのかと思いましたが、利用してみると人間の手で行う半分の時間で手もみ作業が完了。

来年は1人1枚の洗濯板を持参しようという意見が出るほど、効果が実感できました!

横浜港北フレッシュホップエールとは?

このフレッシュホップを使用したビールは、「横浜港北フレッシュホップエール」という商品名で、ビアスタイルはペールエールです。アマリロとサブロという品種のホップで事前に風味を調整し、収穫したカスケードを発酵する前に麦汁に浸けてフレッシュホップ感が出るビールに仕上げています。

前処理したホップを麦汁にひたしている様子

前処理したホップを麦汁に浸している様子

2021年との違いは、ミンサーと洗濯板を使用したことです。味にどのような変化をもたらすのか、とても興味深いです。

この横浜港北フレッシュホップエールは、2022年9月20日(火)に横浜ビールの店頭とECサイトで発売予定です。この時期だけの限定醸造で、毎年楽しみにしているファンも多いことから、早めに購入されることをおすすめします。

2023年のホップ収穫体験ツアー情報

2022年は、ホップの収穫体験と横浜ビールの醸造所が見学ができるツアーが催行されました。2023年も実施される予定ですので、興味のある方は横浜ビールのウェブサイトをご確認ください。

2022年ホップ収穫体験に参加した人が畑でホップを摘んでいる様子

2022年にホップ収穫体験ツアーに参加した際の様子(写真提供:横浜ビール広報・写真家 工藤 葵)

募集開始時期は、2023年7月上旬を予定しています。

来年はホップ畑で会いましょう!

私はホップ収穫の最盛期である7月中旬に左足首を剥離骨折してしまい、2022年はホップの圃場にほとんど行くことができませんでした。そこで、この日を目標にリハビリを行い、足を引きずりながらどうにか参加できました。

私にとってホップ収穫体験は、ホップを見て、触れて、香りをかぐことができる、この時期だけのお楽しみです。収穫後は、衣類や髪にホップの爽やかな香りがうつり、自宅に帰ってからも残り香でビールが飲めそうなほどです。

この素敵な体験をビール好きの多くの方に味わっていただけたらと思います。どこかのホップ畑でお会いできたら嬉しいです!

2021年産横浜港北フレッシュホップエールの写真

2021年産横浜港北フレッシュホップエールの写真

 

ビアジャーナリスト

ビールと551の蓬莱とお笑い好きの関西人
ホップにハマりすぎて、全国各地のホップ畑にホップを摘みに行くほどに!
ついたあだ名が「Hop Saijo」
夢は、チェコでビール風呂に浸かりながら、蛇口から出てくるビールを好きなだけ飲んで、イグサのベッドで昼寝すること。

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